恋文
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2012年01月30日(月) かおり

フルーツのお茶
甘酸っぱい

とおい春


2012年01月29日(日)

重くもない
軽くもない

てのひらに
乗るくらいの

夢をみていたい


2012年01月28日(土)

静かを
見るあいだに

音だけを
聴いている

寒いから
起きてこない

外の 青空


2012年01月27日(金) 平穏

やりすごす
一日一日

それを
平穏といい


2012年01月26日(木)

眠れない夜
静かな音で
いっぱいになる


2012年01月25日(水) 惰性

惰性であるとは
こんなことで

冬の風のように
乾いている

つまりは
逃れたいということ


2012年01月24日(火) 雪景色

風景は一面に
凍っているようだ

遠くの空まで
透きとおっている


2012年01月23日(月) 雪になる前

潮騒のように
聞こえる

雪になる前

夜は
ゆっくり
更けてゆく


2012年01月22日(日) 普通のこと

普通のことは
本当は
つらかったり
悲しかったり
する

だけど
普通のことだから


2012年01月21日(土) メール

地球の
裏側から
メールが届く

みんな
うまくいっているよ
と、返信する

甘さと
苦さ


2012年01月19日(木) そのさきに

なにごともなく
すぎてゆくは
それでいいのだが

いつまで
つづくのだろうかと
おもう


2012年01月18日(水) 夜更け

目覚めて
眠れない夜更け

何も考えまい と
するほどに

とりとめもなく
あふれる意識


2012年01月17日(火) 夜のミイラ

毛布のトンネルに
横たわる

脚はまっすぐ
手は胸元で重ね

体温のなかに
しばらくのあいだ

眠りにつく


2012年01月16日(月) 退屈

空の色と
同じような
一日が過ぎる

朝の小さな傷が
黒く
かたまって

夕方に
ふとしたはずみで
破れる


2012年01月15日(日)

夜の街にでる

冷気のなか
ただよう

縮こまりながら


2012年01月13日(金) 病む

かんたんに
病むのは

からだより
こころかも
しれない

気づかないまま


2012年01月12日(木) 冬の朝

体温との
境界線を
行き来する
朝の夢


2012年01月11日(水) 冷める

足先が
暖まって
眠りにつく

足先の
冷たさで
目覚める

からだは
目覚める前に
冷めるのだろうか


2012年01月10日(火) 午後のオフィス

囚われた者のように
見やる
ブラインドの隙間

交差点に
車が
通り過ぎてゆく


2012年01月09日(月)

朝の街を
脚が 身体を
連れてゆく
風の中


2012年01月08日(日) 台所

野菜を切り
出汁をとる

湯気と
いっしょに
温まる


2012年01月07日(土) ラジオ

七草を
きざむ

ラジオからの
音が

遠くに
聞こえる


2012年01月06日(金) 短い日

いたずらに
過ごす

一日は
いつも短い


2012年01月05日(木) 午後

日が少しづつ
長くなって

空気が少しづつ
冷たくなる

空に 半月


2012年01月04日(水) 木枯らし

交差点を
枯葉が走ってゆく

赤信号の
待ち時間


2012年01月03日(火)

列車は
夢の中を
走っている

とても
青い空


2012年01月02日(月) 共通点

妹達とわたしとの共通点

お菓子を食べた後の
包装紙を
たたんで、結ぶ

わたしの娘も
そうしている


2012年01月01日(日)

痛みと痛みの
あいだ

笛の音を
聴いている

どこにも 冬


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