恋文
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2010年12月29日(水) 歩く

町をゆく
どこでも
歩いてゆく

向こうに
山がみえる

憧れのように


2010年12月28日(火) 振り返る

いずれにしても
日々を
全うしなければならず

それならば
振り返らずとも
よいのだが


2010年12月27日(月) 風景

ここではない と
探す行く先は

どこに
あるのかも知らない

どこも
見慣れない
風景


2010年12月26日(日) 街角

街角に
溶け込んで
ゆきます

風のなかに
吹かれて
います

空を
見上げて
立ち止まり

沈黙しています


2010年12月25日(土) 先へ

少し ゆく
少し さき

風が
激しく
吹いてくる

もっと
その先へ


2010年12月24日(金) 子供のように

一歩一歩
歩き始める

不安と
喜びと

子供のように


2010年12月23日(木)

遠くに
山が見えた

ビルのあいだ

近くに
行きたいと
思った


2010年12月22日(水)

夜のあいだの


夢のなかで

どこにいても

雨の音


2010年12月21日(火) 夜の雨

雨は
風といっしょに
吹きつける

ぼんやり
滲む町の光も
風のなか


2010年12月20日(月)

ひとりの
いちにち
いちにち

おとは
ずっと
しずか


2010年12月19日(日)

切れぎれの空

この町には
広い空が ない

遠くを
見やる


2010年12月18日(土) 一日

あわただしい
一日は
それでいい

終わって
ほっとする

これで
終わったんだ

でも
明日は
またくるね


2010年12月17日(金) 手探り

躓いているのかも
わからない

どこまでも
手探り

上へ 下へ


2010年12月16日(木) 一歩

一歩は
しずかに
踏み出す

誰かの
影と
いっしょに


2010年12月15日(水)

道は
繋がってゆく

どこに
いても


2010年12月14日(火) 居所

居所を探して
歩いても
まだ ない

知らない町のなか


2010年12月13日(月) やさしい

易しいことは
あまりない

優しいことに
触れると

ほっとする


2010年12月12日(日) 慣れる

ビルの間を
越えて

山が
見えた

少し
慣れる


2010年12月11日(土) はずれる

どこか
外れたままになる

帰れない


2010年12月09日(木) 山のように

雲は
雪の山のように
そびえ

天からの
光のなかに
たたずむ

残してきた
風景が

現れる


2010年12月08日(水)

見知った国を
右往左往する

本当に
この国だったのか


2010年12月06日(月) 収束

なにもかもが
一点に
向かってゆく

その場所を
見据えながら

ほら でも
まだ
右往左往ではないか

雨が降るね

雪を融かしてゆく


2010年12月05日(日) ここにいる

夢ではないと
雨の
冷たさ


2010年12月04日(土) 流れ

急な流れが
巻き込んでしまうのだろうか

思わぬ出来事に
戸惑う


2010年12月03日(金) 冬の道

陽が傾き
道は
ひかりの中に
沈んでゆく

長い影を
引き
凍えた道が
続いてゆく

その
向こうまで
歩いてゆく


2010年12月02日(木)

夕日が
傾いてゆく
長い 
光の帯

道の向こうは
まぶしくて


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