恋文
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2010年10月31日(日) たゆたい

たゆたう
ゆめのなか

悲しいような

けれど
心地いい

とどまって
いられたら

いられない


2010年10月30日(土) わだち

轍を
たどるように

ゆくのかも
しれない

それは
楽なのだけれど


2010年10月28日(木) 青空

青空の
あいまに

雨が降る

空は
青いばかり


2010年10月27日(水) 秋の祭り

どんなに
夏は
短かったのか

わずかな
名残もない

人々は
夕暮れの
町に集う

はやくも
傾いてゆく
日差し

観覧車が
丘の上に
回っている


2010年10月26日(火) 同じところ

透明になる
ひかり と

重い空の
あいだ

いったりきたり
いつも

同じところを


2010年10月25日(月) 一息

どこにも
同じ時間が
過ぎて

同じ時間を
生きている

一息をする

まだ 
ゆかなければ


2010年10月24日(日) ちいさく

ちいさくなる
わたしは

それでいいのかも

削られてゆくのは
なにかしら

いずれ なくなってゆく
いのちの
かけら


2010年10月23日(土) 料理

料理するって
ちょっと
危険な仕事なのよね

不注意で
腕にかぶってしまった
熱湯は

前にフライパンの縁に
触れてしまった
痕をなぞっていった

でも、できあがった
ご飯が 美味しかったら
それで いいかな と

冷たい水で
流している


2010年10月22日(金) 浮遊

浮遊する

空を覆う
雲のしたで

水の流れに
沿って

見上げれば
飛び去る

鳥たち


2010年10月21日(木) 秋の林

やがて
失われてゆく
色のあいだを
たどる

まだ
光に彩られて


2010年10月20日(水) 通り雨

気づくと
雨の音がする

ひっそりと
通り過ぎてゆく

同じ色の
空のした



2010年10月19日(火) 雨に

行きつ 戻りつ

同じ
景色のなか

雨になる


2010年10月18日(月) 低く

低く歩む

灰色の
町のなか

空にはない

明かりを
探す


2010年10月17日(日) 青空

どこにも
混沌

どこも
雲の中

ふんわり
ただよって

どこかの
青空を
探している


2010年10月16日(土) 雨雲

雨の揺りかご

ずっと
揺られていたい

雲のまんなか
なにも
見えなくてもいい


2010年10月15日(金) 小鳥

積もった
落ち葉のなか

綿毛を
膨らませて
小鳥が
座っている

ざわざわ
風に揺れる
木々の音を
聞きながら



2010年10月13日(水) もしも

もしも と
いう

まだ
たくさんの
問いかけが
続くだろう


2010年10月12日(火)

まだ
明るい日差し

道端の草花が
揺れる

風が冷たくなったとしても


2010年10月11日(月)

いくどもの
秋が過ぎる

どこでも
いつでも

光と風は
かわらない


2010年10月10日(日) 川原

立ち止まっても
誰もいない

川原には
鳥の影だけ

草をわけて
歩き

砂にしゃがんで

光る川面を
見送った


2010年10月08日(金) あゆみ

一歩を
踏み出したら

うれしい

まるで
こどもの
あゆみの
ように


2010年10月07日(木) 前へ

進めば
進んだと

おののく
わたし

小さな希望と
大きな不安

それでも
前へ


2010年10月06日(水) 秋の空

それでも
秋の空

まっすぐな光が
どこまでも


2010年10月05日(火) 足元

足元が
おぼつかなくなる

感触は
まるで

夢のなかのようだ


2010年10月04日(月) 飛行機

音を
ひきずって
飛行機が
飛んでいった

空は
もう 夜の色


2010年10月03日(日) 午後の日

沈むわけでは ない

空は 青いし

暖かい 日差し


2010年10月02日(土) まだ

まだ いる

いつだって

わたしも

空が 青くて
川は 静かに
流れている


2010年10月01日(金) 香り

いつから
香りを
まとっていないのだろう

気づくと
わたしの 自身の

香りに
沈んでいる




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