恋文
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2009年04月30日(木)

目が 開けられないくらい
まぶしい
雪面を 越えて

鳥たちは
群がっている

空も 遠くまで
透きとおって

影もない


2009年04月29日(水) 休暇時間

切りはなれた
時間がすぎる

その合間に
交錯する

いつもの
時間も


2009年04月28日(火) みどり

みどりのなか

まだ 残っている 雪

とおくまで みどりと

まっすぐな あるいは
まがりくねった 道

かわってゆく みどり


2009年04月26日(日)

風が吹けば
風とともに
揺れる

散ってしまえば
ふわふわと
漂うだろう


2009年04月24日(金)

風に揺れる
葉叢から
小鳥が 飛び立ち
また 帰ってくる

そのたびに また
繁った葉に

ひかりが ゆれる





2009年04月23日(木) 春の午後

街角に
ハープを弾く
人がいる

若葉を
透き通った
午後の光


2009年04月22日(水) かおり

雨のあとに

しずくといっしょに
こぼれるような

花のかおり
草のかおり


2009年04月20日(月) 行く先

振り返り 振り返り
歩いてゆく

おぼろげな
行く先へ


2009年04月19日(日) みどり

いちにちは
すぎる

なにも
思い煩わなくとも

冷たい風も
歩いているうちに
心地いい

花が散って
降りかかる

みどりの野


2009年04月18日(土)

風のなかに
まっすぐ
立っている

たわんでも


2009年04月17日(金)

雨混じりの
風と いっしょに
吹き惑う

髪を 梳かすと

洗面台に
ぽつりと 落ちた

花弁


2009年04月16日(木)

舗道を しろく
散り敷いて なお

ふたたび
散らされ
流れてゆく




2009年04月15日(水)

こんなに
真っ盛りの花

ぽつんぽつんと
湧いて出る
不毛な考えは
隠してしまおう

いつか
いっしょに
散るだろうか


2009年04月14日(火) 霧の中

霧が晴れたら
どこに
いるだろう

目をこらしてみても
ずっと霧の中

流されてゆく


2009年04月13日(月) ひとり

ひとりが
ひとりでいるあいだ

ぽつりと
いるわけではない

遡り つながってゆく
ひとりのきもち

馳せる そのむこうに
つながってゆく


2009年04月11日(土)

こんなに 春は
いちどきに
やってきた

小鳥が
からだの十倍もの声で
さえずっている

まっすぐな
光のしたで


2009年04月10日(金)

みどりの
まんなか

はなの
まんなか

はるの
まんなか

ことりが
いる


2009年04月09日(木)

ひそかに
かおるあいだに

はなになる

とげも
まっすぐ
のびた


2009年04月08日(水)

連翹の
向こうの空

ずっと ずっと
遠い空


2009年04月07日(火) 春は 春

行き惑ったとしても

それは
霞のように

春は 春


2009年04月06日(月) 忘れる

ときに
われにかえり

自分で 自分を
忘れてしまっていると

気づく


2009年04月05日(日) まっすぐ

まっすぐ
まっすぐ

行けたらいいね

失われてゆく
わたしを
越えて


2009年04月04日(土) 春のみち

小道を 歩くと
花の かおり

このまま
歩いてゆきたい


2009年04月03日(金) ゆうがた

こんなに
明るかったかしら

いつのまにか
鳥のこえも

すっかり
春のようす


2009年04月02日(木) 影がさす

迷子になったように
まわりの
景色がかわる

ひっかかったものが
立ち去らない






2009年04月01日(水) 切れる

ぱちんと
音がして
フィラメントが
切れる

電球のなかに
閉じ込められた
虫のように

からからと
揺れる


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