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| 2008年01月31日(木) | ほんとうにはならないこと |
ほんとうには
ならないけれど と
思うことを
いくつも
連ねてみる
みんな
闇に消えてゆく
| 2008年01月30日(水) | 雨から雪へ |
磨りガラスの向こうに
ぱらぱらと
音がきこえて
雨が 降ってきたのを知る
冷たい風なのに
まだ 雪を運んでこない
あなたのところでは
もう 雪が降ったのにね
思い出を
くりかえしてみると
まだ
あなたのところにいるみたい
| 2008年01月29日(火) | 蜘蛛の巣 |
些細なことだけれど
いちど こだわって
もう 抜け出せなくなる
蜘蛛の巣に
絡まったみたい
じたばたも
もう 疲れてしまった
| 2008年01月28日(月) | 帰り道 |
夕焼けが
雲を染めているあいだ
丘の森の木々は
影になっている
もう群青色の空
| 2008年01月27日(日) | 近く 遠く |
遠ざけてしまったこと
失うあいだに
知ること
最初から
失われていた
わたしは
近くに もっと
見つめていたい
| 2008年01月26日(土) | ふわふわ |
あんまり
明日のことは
考えたくない
ふわふわ
このまま
朝は 寒かったね
お昼は すこし 暖かくて
夕方は もっと 寒くて
今日は 過ぎていってしまう
ふわふわ
してね
| 2008年01月25日(金) | あした |
あしたは
いつも 少し
向こうにある
わたしが もう
いないかも
しれない
| 2008年01月24日(木) | あした |
一日が おわる
なにか
変わっただろうか
なにも なかったかも
しれない
それでも
あしたは きっと
違うだろう
| 2008年01月23日(水) | 月 |
カーテンのあわいから
見えるそとが
明るかったから
雪が降っているのだと
思った
ただ 月が
照らしていた
| 2008年01月22日(火) | 影 |
通り過ぎてしまったらいい
見ていなくても
聴いていなくても
いい
その瞬間に
どこに行ってしまおうか
足元に
影を残して
| 2008年01月21日(月) | いつになっても |
わずかな
違和感
目眩の ように
曇り空が
とても
遠くに見える
| 2008年01月20日(日) | 素手 |
柔らかいこと
硬いこと
しっとりと
手に したがって
かたちを
感じている
| 2008年01月19日(土) | 歩く |
川の流れと いっしょに
歩いてゆく
泡になり
淀みになって
砂であったり
草の枯れたあとの
湿った土のあいだを
たどってゆく
風のおとも
鳥のこえも
いっしょくたになって
ひとりの
わたしになる
| 2008年01月18日(金) | 雪 |
今年初めての 雪を
あなたは見たのでしょうか
眠っているあいだ
ひとしきり 降って
翌朝には もう消えていたのでしょうか
この間
夢であなたと逢いましたが
雪は 降っていませんでした
今度 また逢ったら
いっしょに
雪を見ましょうか
| 2008年01月17日(木) | 夜明け |
夜明けの暗闇で
耳をすます
風のおと
雨のおと
遠く かすかに
水の流れるおと
しずかに
繋がる わたし
| 2008年01月16日(水) | 夕木立 |
森の木立の上
消えかかる
ひかり
濡れた地面にも
ひとしずく
残して
| 2008年01月15日(火) | 月 |
何月を 待とう
何月も
通り過ぎる月ならば
月と おなじに
満ちては
欠けて
いつでも
待っている
何月の月
| 2008年01月14日(月) | 眠り |
音は眠りにはいりこむ
いつしか雨になっている
| 2008年01月13日(日) | 森 |
風がわたる
木の枝がたわむ
鳥の声がひびく
木の葉がさわぐ
なんども 思った
いつか あなたと
歩きたいと
| 2008年01月12日(土) | かたち |
わたしが なぞる
かたち
目を開いていても
閉じていても
まるで 暗闇のなかに
たたずんでいる
| 2008年01月11日(金) | 夢に |
夢に捉ってしまおうか
そのまま
帰ってこない
朝は 来ない
| 2008年01月10日(木) | 覚めないでいる |
それは 夢なのだと
気づいているのに
目覚めることができない
そうして
覚めたときのことを
考えながら
もう一度
夢にかえる
| 2008年01月09日(水) | 記憶のなかに |
まだ 幾度も
思い浮かべることができる
きっと 遠くはない
| 2008年01月08日(火) | 霧の中 |
あんまり まっすぐ
前ばかり向いても
見通せるわけでもない
それならば
振り返ってみてもいい
そこも
遠くに吸い込まれてしまうけれど
| 2008年01月07日(月) | 街角 |
濡れた舗道に
街灯の光が落ちる
街角は
暗いままに
たたずんでいる
雨のしぶきを
浴びながら
| 2008年01月06日(日) | 彼方 |
少しづつ
すれ違ってしまうような
それでも
馴染んでしまい
灰色の空の下
まだ 彼方を
思い浮かべるだけ
遠い国に
戻った
| 2008年01月05日(土) | 雨 |
ひたひた
濡れてゆきます
海へ ゆきたいと
思いました
みんな
濡れてゆきます
| 2008年01月04日(金) | 靄 |
なんだ なんだ
灰色じゃないか
空を見ていた
しずかに 空が
降りてきたみたいだ
まだ まだ
ずっと ここにいるのだと
包まれていようか
