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2002年12月29日(日) あなたに会えて

あなたに会えてよかった
あなたを好きになってよかった

とても直裁だけど
これがわたしの気持ち

今年、ありがとう
あなたが支えになってくれてた

わたしは、あなたになにができたかな?
振りかえっても判らないけれど
あなたが、わたしを呼んでくれることで
わたしも、きっとあなたにできたことがあるんだと思う

わたしたち、離れてしまうけど
来年も、いい年でありますように


2002年12月28日(土) 空の下で

あまりにも空が青かったので
ずっと、このままでいようと思った

何も隠すこともないような
こんな空の下で
わたしは恥じることもないよ

あなたが好きって


2002年12月27日(金)

夜は海の底のように暗くて
今はもう外の音も微かになった

しばらく思い出に浸っている
もう一年


2002年12月25日(水) このまま

溶けてしまおう
あなたに抱かれたら

そんなふうに
思った

きっと
かなわないので

このまま
消えてしまおう


2002年12月24日(火) あなたの前で

あなたの前で
わたしは、わたしでいられる
まるで裸のように
わたしは、一人の女でいられる

あなたに触れられると
震えてしまうよ
怖いからではなくて

あなたに寄り添うとき
もう、なにもかもがなくて
ただの、わたしになれる

あなたの前では


2002年12月23日(月) 三つ編み

少し髪を編んでみる
小さな三つ編みができる
とても、いびつな三つ編み

解いてゆく

ふわふわと
揺らぐような、わたしの髪

目の前に前髪を手梳くいながら
わたしは呪う

なぜ、わたしは女ではなかったのかと



2002年12月21日(土) 階段

もう雨が止みそうになって
明かりに照らし出された階段は
ふんわりと光っている


2002年12月20日(金) メッセージ

とりあえず、毎日、日記の前に座る。
書きたいことがあるときは自然に書いてしまう。

そうじゃないときは、いろいろ思いを馳せて考える。
どんな文にしようかと。

でも、これは全部、あなたへのメッセージ。
それだけは、いつも一緒。


2002年12月19日(木)

ずいぶんと長くなったこの髪を
あなたに触れられることは
ないのかもしれない

あなた指で梳られたら、と
思いながら
洗い髪を乾かしている


2002年12月18日(水) いく

わたしは素直な女でありたい
でも、ときどき
わたしは、わたしじゃないので
素直だけど
それは、わたしではないのかも知れない。

今日も、風が吹いて
わたしはちじこまる。

わたしは、何処にもいけない
いかない

あなたに傍にだったら
いく


2002年12月16日(月) 風が吹く

木々が揺れる
震える音がする

もう落ちてしまった枯葉がまわる
どこかに飛んで行く
吹き寄せられる

みんな揺れる
みんな震える
みんな飛ぶ

みんな何処かに行ってしまったり
みんな寄り集まったり




2002年12月15日(日) 声、声

時々、あなたは唐突に連絡をくれる

窓の向こうに景色を透かしながら
今日は、あなたの声に聞き入る

わたしは、少し
弾んだ声をしていたかもしれない


2002年12月14日(土) いびつ

わたしは、ほんの少し変わっているから
ちょっと、引けてしまうの

あなたは、少し違ったから
あなたが、よかった

少しの違いも
少しの変わりも

どんなことにも
いびつなことがあるように

ぜんぶ、あなたがわたしを受け入れてくれて
わたしは、あなたをすっかり受け入れる

どこにも
いびつなことなんて
ない


2002年12月13日(金) あのとき

暗闇の中を疾走する
明かりが滲む

あなたがいない街を過ぎる
あのとき、あなたがそこにいた

目を閉じると
あなたに寄り添っていたわたしが見える


2002年12月12日(木) 悲しいこと

ひとりの女性が泣いていた
ビルの階段で、ひとり蹲って
嗚咽だけが
静かに夜の暗がりに
広がる

それは
いつかのわたしだったかもしれない

その場を遠ざかりながら
わたしも、少し悲しい気持ちになる


2002年12月11日(水) 冬の朝

息が白く漂う
携帯電話を持つ手がかじかむ

そうか、こんな風に過ごす朝
冬は初めてだったんだ

まだ、一年にもならない

でも、もう長い時間が過ぎてしまって
もっと長い
あなたを失う時がくる


2002年12月10日(火) 忘れられない

痺れるような寒さ
あなたに初めて逢った時も
時ならぬ雪の中だった

逢っている間にも
どんどん積もっていったね

夜は、とても暗くて
雪は、白く明るかった

初めて会ったあなたなのに
もう、心は和んでいた

あんなに印象的な出会い
もう、忘れられないよ


2002年12月09日(月)

雪が地面を覆う
落ち葉も覆う
みんな白くなる

音も白くなって
ささやくように小さくなる
声も小さくなる
雪に覆われてしまう

あなたの声は
それでも聞こえていたよ


2002年12月08日(日) 失う

失ったり

きっと、いつも失い続ける
この瞬間にも

嘆かない

きっと
帰ってくるから

失うこと

もっと、奪ってください

きっと
帰ってくるから


2002年12月07日(土) わたしが死んだ夢

わたしが死んだ夢を見た
意識があった
みんなが慌てているので
声を掛けた
生き返っていた

その後も、なんども死んだ
でも、奥底で生きているって確信があったので
平気だった




2002年12月06日(金) 良かったんだ

あぁ、そうか
これで良かったんだ

思ってみる
声に出してみる
書いてみる

良かったんだ
そう、思うこと


2002年12月05日(木) 季節

丘を越える階段を登る
昨夜の雨と風に散った葉が
階段一面に重なっている
黄色や赤や

今朝も、また
あなたと電話をしながら歩く
季節の移り変わるけれど


2002年12月04日(水)

街路樹に飾られた光が瞬いている
オレンジ色が雨に湿った空気に滲む
風が枝を揺らしている

ぼんやりとバスを待ちながら
また記憶に沈んでいく

もう、冬だ


2002年12月03日(火) 伝えられたのだろうか

詩人の吉原幸子さんが亡くなった

彼女の詩のなかに、わたしは自分自身の気持ちを見ていた。

わたしは、あなたに思いを伝えられたのだろうか?

気持ちを、ここに込められたのだろうか?


2002年12月02日(月) 歩きつづける

いつ雨が降ったのか
濡れた坂を登る
木の葉がそここに貼りついて
地中を流れる水の音が聞こえる

湿った匂いがする

ただ歩きつづける


2002年12月01日(日) 雨の中

雨の下では、みんな灰色だった
わたしも、雨の中で
溶けてしまったよ

ふわふわと
買い物帰りに歩いていると
いつもの会話を思い出していたよ


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