過剰書き日記
宝塚歌劇など、自分のはまっているものについて、書きたい放題しています。

2003年07月31日(木) 月組「花の宝塚風土記/シニョール・ドン・ファン」

「花の宝塚風土記」:洋物に比べて一場面が長い気がしたが、和服は衣装替えが大変だからだろう。でもその割には退屈しなかった。紫吹淳の顔がたまにバカ殿っぽく見えるのと、映美くららの顔のきれいさと体の短さのギャップ(「顔は子供だけど体は大人よ」の逆)が気になった。衣装がきれいで、期待してなかったせいか結構楽しめた。民謡の場面は結構ノリがいいし...でも紫吹淳、柳葉ファンなの?!「そいや!そいや!」にはびっくり。

と褒めつつ、やはり日本ものって私の心に訴える何かが足りない、と「シニョール・ドン・ファン」オープニングで気付く...それは「足上げ」(特に男役)。紫吹淳が「ラブ&ビューティー!」といきなり踊り出した時、「やったー!」と思った。日舞で満足してた私がバカだったよ。宝塚は足上げて(もちろん頭の上まで)なんぼの世界。おまけに湧き出てくる黒服の男役軍団...黒服で群舞!これぞ宝塚!ちょっとバビロン「魔都」に似てる振りあり。ポケットに手入れたまま踊る所。でも、誰かさんみたいに口半開きですごい表情で踊る人ってなかなかいないね...目付きに気合を感じる程度の人はいるが。なんか私、宝塚観る度あの人思い出してるな。やれやれ。

紫吹を筆頭に、男役の皆さん、ことごとくホストっぽい(苦笑)。汐風幸は全身から裏社会オーラ出てるし(この人が1番歌うまかった。今回で退団するが、沸き起こる拍手に夢輝さんのサヨナラ公演を思い出した。懐かしいなあ)、役の謎めいた雰囲気をよく出していて存在感があった。誠実なマネージャーを演じてるはずの大空祐飛も、かなりジゴロっぽい目付きしてた。彩輝直はそうでもなかったが、彼女は役の上でと言うより血中男役濃度が低い。声が高くて軽すぎるし、声だけでなく全体にインパクトが弱い。「プラハ」の時も思ったが。

ストーリーは、思い出すとつまらなかったが、観ている時は飽きなかった。場面転換がうまかったのかな。それなりに元祖ドン・ファンを下敷きにしてたし。パトリシアはツェルリーナ(カトリーヌもそんな感じ)、フィリッポはマゼットだろうね(田舎くさいし...)。ローサはドンナ・エルヴィーラ?ジルはドンナ・アンナ、ロドルフォはドン・オッターヴィオ、ジルの姉がドンナ・アンナの父。ジョゼッペはレポレッロだな。

話戻って、ストーリーのつまらなさとは、ジルがレオに殺意を抱く動機が常人(私が?!)には理解できない点etc...ありゃ2時間ドラマレベルだって。それに宝塚で「八つ裂きにしてやりたい」なんて台詞聞きたくない。それを言ってるくらら嬢も、レオの理想の女性、と言うほどのインパクトはなかった(ちなみにカトリーヌ・城咲あいはきれいだった。猫抱いてる子)。あと気になったのは、ポスターで使われている赤いドレスを実際に着て出てきたとき、「ポンキッキのムックみたい!」。そう、ショーの部分で書いたが、体が短いのだ。ポスターでは座ってるから気にならないけど、着る人がきれいに見えない衣装のデザインはいかがなものか。そう言えば、紫吹さんの顔って目がパッチリしてガチャピンぽいし、いっそ月組でポンキッキってだめ?



2003年07月29日(火) 星組「花の業平」(ビデオ)

業平さん、なんと白ブーツ履いてる!一瞬目を疑ったね。そしてなぜか手には花束...のっけから参った(笑)。帝に見せる花の舞を嫌がり逃げて来た藤原高子とすれ違いざま、彼女の手をつかんで引き止める。ひえっ、ナンパじゃん。それもかなり柄悪い、渋谷辺りの兄ちゃんがやりそうな。業平って、雅(みやび)な人じゃなかったの?!
こんな私の戸惑いは夢輝さん演じる国経によって晴らされた。

「(業平は)ただの色好みではないか!」

と、女子(おなご)にモテモテの業平を妬む国経くん。そうか!演じている香寿さんに合わせて、業平は「エロ親父」に設定されてるのか。手に持った花束がなんのためかも分かった。ナンパした女子に渡すためよ。え?大きすぎないかって?だってエロ親父だもん、ナンパするのは1人とは限らないからね。束から1人分だけ抜き取って渡すに違いない。それが証拠に、高子に決めたら、たった1本だけ(笑)を和歌を添えて渡してた。

ちなみに、「色好み」は本来こういう使い方をしない言葉ですよね。風流を解するとか言う程度の意味だったはず。でも夢輝さんの低音で言われると、どういう意味か自ずと決まってしまう...彼女もエロ役者だな。

それにしても今回の夢輝さんの役もまた、なんだかなあ...「ただの色好みではないか!」とやっかんでたら、仲間から「モテない奴」と言われちゃうし...。ストーカーだったり、女を盗られちゃったり、夢輝さんてモテない役ばかり...横では香寿さんがモテまくってるのに!なんなんだこの違い!トップになれば夢輝さんもモテてたのかな。でも、我々ファンからはモテてるからいいよね...

まあ、国経に限らず「業平」全体が、トップ以外しどころのない役ばかりで、とりあえずスターの見せ場作っときましたー、という感じだったけどね。例外が高子の兄・基経(初演では香寿さんが演じたそうだが、彼女は男役顔が精悍なのでこういう冷酷非常な役のほうが合いそう。もちろん業平役も立派だったが、雅という感じはあまり)。業平と高子の恋路を邪魔する、野心に満ちた存在感のある悪役。汐風幸、歌うまいし、女に見えないし(これは褒め言葉)、眼力があり目の表情が豊かで、いい男役だ。片岡孝夫(仁左衛門という呼び方にはまだ慣れてない)の娘だからかつい和ものの技術に目が行ったが、着物姿の所作が決まってるし、見得の切り方が見事で、業平から高子を奪い返す場面は「本物の歌舞伎みたい!」と思ってしまった。いや〜、孝夫さん(彼こそ業平似合いそうだが)びっくりしたでしょう、お嬢さんの男らしさに。

「ガラスの風景」「琥珀色の雨にぬれて」の2作品と見比べ、柴田脚本には共通点があることに気付いた。それは「愛し合ってるけど別々の道を歩まざるを得ない男女」。でも、心中とか過激な手段には出ず、現実と折り合いを付けながらそれぞれの人生を歩んで行くのよね。デ・シーカの「ひまわり」を思い出すなあ。恋愛に限らず、ままならぬ人生を受け入れていく、というストーリー、デ・シーカ始めイタリアのネオレアリスモ映画、フランス映画にも見られる。そういえば柴田さん、「ガラス〜」のプログラムにデ・シーカの「自転車泥棒」のこと書いてたな(アンケート欄)。影響受けてるんだね。


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