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■ 老い
祖母が入院した。
この祖母はこの日記に 「知らない家族」という題でいつか 書いたことのある、あの祖母だ。
肺炎で入院したのだけど、 肺炎自体はすぐに治った。 一番の問題は肺炎の原因だった。
誤嚥性肺炎。 食べたり、飲んだりすると 必ず少量、肺のほうへ誤嚥してしまい、 しかもその自覚がないのだ。 健常な人なら、むせたり、咳き込んだりするのに。
祖母は、飲むことも食べることも出来なくなってしまった。
今は胃に穴を開けて、 そこから水分や栄養を摂っている。
目は見えず、しゃべることも不自由で、 起き上がることすら、一人では出来ない。 さらには、物を食べることも飲むことも出来ない。
見舞いに行ってきたが、 あまりに可哀想で、何にも言えなかった。
病院から帰るとき 「頑張ってね」と祖母が言ったから、 「うん。ばあちゃんもね。」と返した。そうしたら、 「頑張ります。」と、ばあちゃんは答えた。
祖母はもう十分、頑張った。 頑張って頑張って、生きてきた。 安易にこれ以上「頑張れ」というのは酷だ。無神経だ。
けれども、「もう頑張らなくて良いよ」とも言えなかった。
2004年02月17日(火)
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