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■ 晴れ
本当はこの時期は就職活動で あちこちを飛び回っているのが 大学三年生(つーかもう四年生か・・・。)の はずですが、 僕は一応公務員一本と言うことなので、 (他人事みたいな言い方) 前と変わらない生活を送っています。
大学生もそろそろ終わりですけれど、 僕は大学でいったい何を学んだろうかと思うと 苦笑してしまいます。 実際、何も学んじゃいない。 特に僕の専攻は社会的に「実力」と 呼ばれるものを身につけることはいくら頑張っても 出来ないので、知識・能力の点から言っても 僕はほとんど成長していません。 せいぜいキリスト教について前よりも 深い知識を身につけたとか、 パレスチナ紛争の歴史的背景を知ったとか、 脳死問題や安楽死について、違った見方を出来るように なったとかその程度。
そんなものばかりで、 結局、「社会」とか「世間」とか 呼ばれるものの仕組みはもちろん、 ネクタイの締め方もろくに知りません。
法律について。経済について。行政について。 公務員試験の勉強やその他で前よりずっと 知識が増えたけれども、それらはやはり理屈です。
法律じゃない、「罪」ということについて。 経済じゃない、「生活」ということについて。 行政じゃない、「権力」と言うことについて。 その実体・・・いや、実態の方が良いかもしれないけれど、 知らなければならないと、知りたいと焦っても 何も分からなかった。 新たな何かは、見つからなかった。
こんなので良いのかしらと思う。 これで大丈夫かしらと不安になる。
やはり僕は「生活」というものが分かっていないと思う。 心構えと言ったら大げさだけれど、そんなものが。 「働く」それは分かる。でも、何を思って働く? 何を目指す。何のために?
「人間は、めしを食べなければ死ぬから、そのために働いて、めしを食べなければならぬ、という言葉ほど自分にとって難解で晦渋で、そうして脅迫めいた響きを感じさせる言葉は、無かったのです。 つまり自分には、人間の営みというものが未だに何もわかっていない、という事になりそうです。自分の幸福の観念と、世のすべての人たちの幸福の観念とが、まるで食いちがっているような不安、自分はその不安のために夜々、転輾し、呻吟し、発狂しかけた事さえあります。」
太宰治『人間失格』
2003年03月31日(月)
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