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JIROの独断的日記
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2011年02月12日(土) 【音楽】ベートーヴェンのピアノ・ソナタ。8番「悲愴」、20番、3番。

◆まともに取りあげていない分野でした。

ベートーヴェンをご紹介する、しかも、あまりクラシックに馴染みが無い方に

おすすめするとしたら、オーケストラ、特に交響曲が最も取っつき易いと思いました。

クライバーの4番が最初でしたか。色々ご紹介してきました。

しかし、ベートーヴェンは他にも色々書いています。

器楽の分野では、なんといっても、ピアノ・ソナタでしょう。

ものによっては、交響曲よりは難解な(退屈な、ということです)

曲もありますが、聴き易いのも沢山ある。

今日は、そういうのを集めたちょうど良いアルバムをご紹介します。

音源は、CDで買おうと思ったら、Amazonの悲愴*ピアノ・ソナタ第8番ハ短調

これ、今は廃盤なのですね。HMVとTowerRecordにはありませんでした。

しかし、Amazonも中古の割に高いです。

SONYの音楽配信でMoraというサービスがあり、

そこには、ありました。

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第8・20・5・3番 ブルーノ=レオナルド・ゲルバー です。


◆ピアノ・ソナタ8番「悲愴」

チャイコフスキーの交響曲第6番も「悲愴」といいますが、両者に関係は全くありません。

ベートーヴェンのピアノソナタの中でも私はこの曲が特に好きなのです。

理由はありません(「好き」に理由はありませんよね?)。


第一楽章は、ギョッとするような不吉な予感のするフォルティッシモの和音で始まります。

ここで、あたかもピアニストは、「グワッ」と鍵盤を掴むような思い切った強い音で、

聴衆の気持を捉えなければなりません。

アレグロになってからも不気味は曲想は続きます。

途中で長調に転調しますが、基本的には表題通り短調です。

曲のタイトルどおりの「悲愴」感に由来する「美しさ」が、私はとても好きです。



ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第8番 ハ短調作品13 「悲愴」 第一楽章 グラーヴェ-アレグロ



Beethoven Piano Sonata No. 8: Grave-Allegro di molto e con brio



第二楽章は祈るような音楽です。

この楽章だけは、以前、拙日記・ブログに載せたことがあります。

ベートーヴェンのアダージョでも、美しいので、有名です。

あまりにも美しいので、旋律に歌詞を付けて歌っているポップス系の歌手が何人も内外にいます。



ちょっと聴くと、弾くのは易しそうですが、実はとんどもなくて、

旋律を担当しているのは、主に右手の5の指(小指)なのです。

左手と、右手の他の指は、旋律の「伴奏」を担当しています。

上手くないと、この楽章を美しく弾くことは出来ません。



ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第8番 ハ短調作品13 「悲愴」 第二楽章 アダージョ-カンタービレ


Beethoven Piano Sonata No. 8: Adagio cantabile



第三楽章では、ベートーヴェンの作曲技法の妙が繰り広げられます。

よく聴くと、第2楽章の旋律の順番を入れ替えているのです。このため、

「あれ?なんか、さっき(第二楽章)と似ているな」と感じますが、

楽譜をよく見ないと、その「からくり」が分かりません。

しかし、音楽を聴く上ではそのような「理屈」が分からなくても、

一向に差し支えはありません。常に申しあげている通りです。


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第8番 ハ短調作品13 「悲愴」 第三楽章 ロンド・アレグロ



Beethoven Piano Sonata No. 8: Rondo; Allegro


いいですね。「悲愴」やはり好きです。

古今東西、色々なピアニストが弾いていますので、

もしも、お気に召したら、聴き比べると更に楽しいかと思います。


◆ピアノ・ソナタ20番 ト長調

次はガラリと変わります。

ベートーベンのピアノソナタは、1番から32番までありますが、

必ずしも、番号が小さいのが易しく、後になるほど難しい、という訳ではありません

(尤も、「後期」と呼ばれるのは確かに非常に難しいのですが)。



この20番は、誤解を恐れずに書くならば、街の「ピアノ教室」の「おさらい会」でも

弾く子がいるぐらいです。ソナタというより、ソナチネです(2つの楽章しか、ありません)。



ピアノ・ソナタ第20番ト長調作品49の2 第一楽章 アレグロ・マ・ノン・トロッポ



Beethoven Piano Sonata No. 20: Allegro ma non troppo



第二楽章。メヌエット風です。


ピアノ・ソナタ第20番ト長調作品49の2 第二楽章 テンポ・ディ・メヌエット


Beethoven Piano Sonata No. 20: Tempo di Menuetto


「悲愴」に比べると、技術的には易しいけれど、

やはり純然たるベートーベンの作品です。

可憐で、上品で、美しい。

上手なピアニストがきちんと演奏すると、

それがよく分かります。「おさらい会」とは、全く別の曲のように聞こえます。


◆ピアノ・ソナタ3番 ハ長調

あまりにもディスク全部を載せる訳にも参りませんので、5番は省略し、

3番の第一楽章のみ、最後に載せます。まずはお聴き下さい。



ピアノソナタ第3番ハ長調 作品2の3 第一楽章、アレグロ・コン・ブリオ


Beethoven Piano Sonata No. 3 Allegro con brio



前述のとおり、ベートーヴェンのピアノソナタは、

ソナタの番号と技術的な難易度が相関関係にはありません。

この3番は、チラッと楽譜を見ただけでも難しいのがわかります。


話がそれますが、以下、いちいち説明すると煩わしいので前提となる説明をします。
ピアノをちょっとでも習った方は御存知でしょうが、

それぞれの指には番号が付いています。

右手は、親指=1,人差し指=2、中指=3、薬指=4、小指=5

です。いちいち「人差し指」などと楽譜に書いていられないし、

レッスンでも、解説を書くときも、これで書いた方が便利なんです。


第一楽章の冒頭の譜面がこれです。




16分音符をアレグロで弾かなくてはいけません。

こうのを見ると、なるほどピアノが本当に上手くなるためには、

指が硬くなる前、子供の頃から始めないと駄目なんだな、と思います。


最初の2分音符の和音は、多分(ピアニストに確かめていませんが)、2と4で弾くのです。

その次に二重の16分音符は、1と3→2と4を素早く繰り返します。

そのあとの8分音符は一つ音が上がっていますから、3と5になるわけです。


番号ではやはり分かり難い、という方もおられましょう。

最初の2分音符は人差し指+薬指。

次の二重の16分音符は、「親指+中指」→「人差し指+薬指」の素早い反復。

次の8分音符の和音ですが、一音高いので、「中指+小指」で弾く。


この動作を机の上でやってみると分かりますが、ものすごくやりにくい。

二分音符は割愛して、16分音符の連続から8分音符まで。



右手の親指と中指でピアノの鍵盤を押さえる形にします。

次に掌そのものは持ち上げず、指だけ、人差し指と中指に切り替えます。

特に高い方の音を押さえている、中指から薬指への動きが殆ど不可能だとおもいます。

最後に、人差し指+薬指を、中指+小指に切り替えます。

これは高い音を押さえている指が薬指→小指になる。もっと難しい。


実際の演奏ではたったこれだけですよ。



3番第一楽章 冒頭



これを弾くのに、これほど複雑な指の動きを必要とするわけです。

ピアニストは、この程度の(というか、これよりずっと難しい)動きが、

いくらでも出てくるので、当たり前のように、サラッと弾けなければいけません。

その為には、子供の頃から、毎日指の訓練をしていることが必要です。


そして、「弾ける」のは当たり前であって、ピアニストとして一流であるためには、

音楽性、芸術性が認められなければなりません。


ピアノに限らず、どの楽器でも、歌でも、プロになるためにはこのような「山」を一つ一つ、
気の遠くなるほど辛抱強く繰り返し練習して克服し、

マスターしていることが前提条件なのですから、

並の覚悟では、プロの音楽家になど、なれません。


と、ベートーベンから話が大きく逸れました。

とにかく、この3番の冒頭、あっさり弾いていますが、

簡単そう聞こえても、弾くと聞くでは大違い、ということです。


というようなことをちょっと知っていると、プロの演奏家への敬意が生じます。

最近、何だか、プロの音楽家になることが、さほど難しく無いことのように思われる記述を

ネット上で幾つかみたので、すこし、知ったかぶりを書かせて頂きました。


毎回申しあげているとおり、聴いて楽しむ分には、理論を知っている必要もありませんし、

ピアノ演奏の技術を知っている「必要」は全く、ありません。

ご参考までに、ということです。

長くなりまして、失礼しました。

良い日曜日をお過ごし下さい。

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