外国為替証拠金取引
JIROの独断的日記
DiaryINDEXpastwill


2010年09月27日(月) 【フィナンシャル・タイムズ翻訳】「中国の目論見は裏目に出るかも知れない」←冷静に論じています。

◆昨日、The Economistの拙訳でお分かりの通り、海外のインテリは冷静です。

日本のマスコミは自虐的というか、海外の新聞は必ずしも

日本はだらしがない。

と書いている訳ではないのに、そういう部分だけを抽出しています。

元々、反日的なニューヨークタイムズですら、原文を読むと、

「中国が得たものはない」と述べています。しかし、夕刊フジ(だから仕方ないですけどね)は
「日中間意地比べでの屈辱的退却」 NYタイムズ

と報じています。確かにそう言うセンテンスもあるのですが、一方的に中国を支持しているわけではないのです。

これは、ニューヨークタイムズの25日付社説の一部です。NYT紙は同時に、
中国が得たものは何も無い。
と、はっきり書いています。タブロイド紙といえどもあまり無責任な記事を

載せて欲しく無いですね。「中国の駄駄っこぶりも困ったものだよ」というのが、

欧米のインテリの多くが感じていることではないかと思います。

今日はフィナンシャルタイムズの記事を翻訳し、その証拠として提示させて頂きます。


◆【翻訳】フィナンシャルタイムズ「中国の目論見は裏目に出るかも知れない」

原文は、"China’s tactics risk backfiring"。要有料購読ですが、URLは

http://www.ft.com/cms/s/0/5050a0e8-c7fa-11df-ae3a-00144feab49a.html

です。

日本政府は、中国漁船の船長を逮捕・拘留したあと、急に中国との外交上の緊張が高まったため、

早期に船長を解放し、問題に目を瞑るように見えた。

しかし、船長を釈放した直後から、日本政府には、「中国の圧力に屈し」たことに関して、

国内から厳しい非難が集中した。


しかし、中国政府のあまりにも強引な対日政策は、逆効果だったのではないか。

アジア周辺諸国は、「世界第二位の経済大国」に成り上がった中国の強引さに警戒を強めている。


日中関係の悪化は、中国と周辺諸国との関係にも微妙な亀裂を生み始めている。

今週(訳注:先週)温家宝首相が、日本と領有権で争っている尖閣諸島を「(中国の)聖なる領土」と

述べたことは、中国が、これまでになく領土権の主張に関して強い態度を取る姿勢を露わにしたものと

言えるからである。


アメリカのシンクタンク、ニクソン・センターの中国問題専門家は、
中国は今までよりも一層攻撃的・恫喝的になり、交渉・妥協の余地を狭めている。

といい、その結果、他のアジア諸国は、安定性と秩序を求め、今までよりも親米的になりつつある。

と説明する。

東南アジア諸国の中でもとりわけ南シナ海で領土権をめぐって中国と揉めているのは、

ベトナム、マレーシア、台湾、フィリピン、そしてブルネイである。

これらの国が不平・不満を募らせることは、アメリカがこの地域の外交・安全保障問題に干渉するチャンスを与えることになる。


事実、クリントン米国務長官は7月、ハノイで開かれたASEAN地域フォーラムで、
南シナ海の紛争を平和的に解決することは、米国の国益に係る。

と発言し、大いに中国を困惑させた。

さらにオバマ大統領は今週末、ニューヨークで開かれたASEAN首脳との昼食会の席上、

南シナ海問題について関係各国首脳と討議した。


一方中国は、ここ1年半、インドと事務レベル協議を繰り返し関係強化を図っているが、

韓国の哨戒艦が北朝鮮の魚雷攻撃で沈没させられた事件に関しては、北朝鮮を非難しなかった。


アナリストの意見も分かれており、最近の強硬な態度は2012年の中枢部の入れ替えを念頭に置いたものだ、

という見解がある一方、経済発展を国際政治に於けるステータスの向上と外交上の影響力の増大に結び付けたいのだ、

と分析する人もいる。


日本は日本で、アジアに於ける政治的ポジションを変化させようとしているようである。

昨年政権を奪取して以来、民主党は対中関係の改善に尽力してきた。外交上の慣例を無視して、

習近平副主席を日本の天皇に紹介するという極めて例外的なお膳立てまで整えたのである。



ところが、中国漁船船長拘束に対する、あまりにも激烈な中国の反応は、民主党内を分裂させ、

前原前国交相(現・外相)は、親米路線を重視する。安全保障上、それが得策だというのだ。


中国人船長の釈放は、日本はアジアにおいて相対的に受け身の態度を取る国だ、という印象を

世界に与えている。安全保障をめぐる対米依存、今なお、相対的には突出した経済力のわりには

強硬な外交姿勢をとることが無いからである。

外交評論家の岡本行夫は、日本は他国の圧力に屈しやすい弱い国だというイメージを作ってしまったことは、

間違いない、と言いきった。

当たり前のことですが、私は英語のプロでも翻訳のプロでもありません。

辞書を引きながら、時間をかけて読んでも、良く意味が分からないことがしばしばあります。

そういうときには、前後関係から「大体こんなことを言っているのだろう」と勝手に解釈して

体裁を整えています。翻訳の精度はあまり高くない、とお考え頂いた方が良いかと思います。



【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。


2009年09月27日(日) 久々にN響アワーを見ていて感じた「音楽の残酷さ」。
2008年09月27日(土) 【音楽】モーツァルト:クラリネット協奏曲/ピアノ協奏曲第23番
2007年09月27日(木) 「<法人企業統計>売上高、経常利益ともに過去最高額更新」「<民間給与>9年連続減少…国税庁統計」←これは、いかんよ。
2006年09月27日(水) WEB日記・Blogを続けていて良かった・・・とつくづく思いました・・。
2005年09月27日(火) 後藤田氏について、書き足りないので、また書く。
2004年09月27日(月) 「直径5キロの小惑星接近 29日、155万キロまで」 この大きさでは、過去100年で地球に最接近する天体。
2003年09月27日(土) 「日本揶揄番組打ち切り ハンガリーの民放」 人種差別考

JIRO |HomePage

My追加