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JIROの独断的日記
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2010年03月12日(金) 【音楽】あたかも「トランペット博物館」マティアス・ヘフス氏、The Trumpet Shall Sound

◆ジャーマン・ブラスのトランペット奏者、マティアス・ヘフス氏のソロ、アルバムなんですが。

マティアス・ヘフス氏というのは、つい先日、「比較的新譜」をご紹介した、

ドイツの金管・アンサンブル、「ジャーマン・ブラス」の謂わば「首席トランペット」兼編曲者です。

トランペット奏者というのは、楽器を色々持たざるを得ない運命にありますが、


マティアス・ヘフス氏は17種類のトランペットを吹き分けるそうです。

それも、普通の現代の楽器ばかりではないのです。

ヘフス氏はThe Trumpet Shall Soundで、敢えて昔の楽器や、珍しい楽器を使っています。

それはあたかも、トランペット博物館のようです。


◆ナチュラル・トランペットによる、ヘンデル:「メサイア」より「ラッパは鳴り響き」

現代のトランペットは、基本的には3本のバルブで半音階を吹くことができます。

これは、もし、楽器発明の世界にノーベル賞に相当するものがあったら、間違い無くそれに値する大発明です。

こののバルブシステムに関する説明は、ウィキペディア「金管楽器」で説明されています。

この項目はウィキペディアの中でも、「特に正確で信頼性の高い記述」という評価を得ていた筈です。

全くその通りです。


この「バルブ・システムが発明される前」トランペットはどのようにして音程を変化させていたかというと、

バッハ、ヘンデルの時代は単なる真鍮の管、このようなものですが↓、



一つの管で、自然倍音といっていくつもの音が出る。高い倍音になると、音階を演奏出来たのです。

しかし、正確に吹くためには天才的な名人芸が必要だったと思います。

マティアス・ヘフス氏がナチュラル・トランペットで、見事に吹いています。


ヘンデル:「メサイア」〜ラッパは鳴り響き("The Trumpet Shall Sound")



The Trumpet Shall Sound



バッハ・ヘンデルの時代には、こういう楽器を吹く天才的な名人が大勢いたと思われます。


◆キー・トランペットによるハイドン、トランペット協奏曲。

ナチュラル・トランペットでは、「ドレミファソラシド」は吹けますが、半音が出ません

(出る音もありますが、出ない音の方が多いのです)。

そしてやはり、運動性に限界がある、というので、現在の形のトランペットの前に、

「キートランペット」という楽器が考案されました。これです↓。



ご覧のとおり、管のあちこちに穴が空いていてそこを開いたり閉じたり、木管楽器に近い発想です。

これが考案されたので、ハイドンのトランペット協奏曲が作曲されたのですが、正直、私も今まで、

キー・トランペットによるハイドンの協奏曲は聴いたことがありませんでした。

現代のトランペットとは、全然原理が違うし、奏法(指づかい)が違うので、大変だと思いますが、

マティアス・ヘフス氏は、器用な人です。驚くほど見事に吹いています。


キー・トランペットによるハイドン、トランペット協奏曲:変ホ長調 第一楽章 アレグロ


Haydn Trumpet Concerto in Es dur Allegro(Key trumpet)



ヘフス氏が現代のトランペットでハイドンを演奏したのと比較できれば一番違いがわかるのですが、

あいにく、それが無いので、モーリス・アンドレの演奏を参考の為載せます。


モーリス・アンドレ(現代のトランペット)によるハイドン、トランペット協奏曲:変ホ長調 第一楽章



Andre Haydn Trumpet Concerto in Es dur Allegro



お聴きの通り、音の切れ、速いパッセージを吹くときの滑らかさが違います。

これは、マティアス・ヘフス氏がヘタクソで、モーリス・アンドレが上手い、ということではなく、

キー・トランペットでは、やはり、まだ今一つ、不便だ、ということで、現代のヴァルブ・システムが考案されたということです。

ヴァルヴ・システムが如何に画期的な発明であるかが、よく分かります。


◆マルチェルロ:オーボエ協奏曲 アダージョはピッコロ・トランペットとバス・トランペットを吹き分けていました。

つい数日前に書いたばかりですが、

【音楽】ジャーマン・ブラスの比較的新しいアルバム Fascination Bachココログ

で、マルチェルロのオーボエ協奏曲 第二楽章(ベニスの愛)をジャーマンブラスが演奏しています。

あの時、実は「あれ?」と思ったのです。

再生開始後18秒付近から、ピッコロトランペットが、美しい旋律を奏でます。

その後、1分18秒付近から、旋律が低音楽器に引き継がれます。この音がトロンボーンのようにきこえるけど、

トロンボーンの音とは、少し違うのです。「???」と思っていましたが、謎が解けました。


同じトラックが、The Trumpet Shall Soundに載っています。

ライナーノーツを読んだら、あの低音(というか中音というか)の楽器は、

バス・トランペットでした。これです。↓






マルチェッロ:オーボエ協奏曲 ニ短調〜アダージョ (ピッコロ・トランペット&バス・トランペット)


Marcello Oboe Concerto D moll Adagio



音域的にはトロンボーンと重なるはずで、そうなるとマウスピースはトロンボーンと同じ口径のものを

使う筈で、口径が変わると同じ金管楽器でも勝手が違うので、トランペット奏者には吹けないはずなのですが、

The Trumpet Shall Soundのライナーノーツには、ヘフス氏が持ち替えで吹いている

と書いてある。ウーム。普通のトランペットと同じマウスピースで吹けるバス・トランペットがあるのかしら?

兎に角、これはCDなのが勿体ない。DVDで実際に吹いているところを見て見たいです。

楽器の存在はずっと前から知っていましたが、音楽を聴き始めて約40年にして、初めて(録音とはいえ)

本番でナチュラル・トランペット、キー・トランペット、バス・トランペットの音を裸で聴くことが出来ました。

かなりマニアックですが、演奏自体が上手いので、楽器のウンチクに興味が無い方にもお薦めです。

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◆【念の為予めご連絡】

明日が勤続25周年休暇最終日なのです。

休暇最後の日の前日までに用事は済ませて、明日はゆっくりしたいのですが、

日程の都合により、明日(というか今日)3月14日(日)、

母と妻子を連れて、父の墓参をすることになってしまいました。


墓参だけしてさっさと帰ることが出来れば良いのですが、帰りに母が昼飯を食わしてくれると言います。

普通の方は喜ぶのでしょうが、母は80歳を過ぎているにもかかわらず、元来身体が丈夫で、エネルギーがすごいのです。

食事の間じゅう、恐らく喋り続けます。私はこの、実の母が嫌いではないのですが、付き合うとものすごく疲れるのが常です。


ですので、明日は、帰宅はさほど遅くならないでしょうが、帰宅した途端、

バタッと眠りこけて、月曜日の朝まで目が覚めない可能性が

あり、日記・ブログを更新出来ない可能性が高いのです。


もし、月曜の朝まで、このままでしたら、

ああ、JIROは疲れて寝てしまったのだな

と、お考え頂きたく、予めお断り致します。図々しいお願いですが、その場合、

更新されていなくても月曜日に清き一票をエンピツに入れて頂けると幸いです。

意外と疲れないで、明日更新するかもしれませんが、最悪の状況を想定し、予め、お詫びしておきます。


2009年03月12日(木) <川崎の医師>講演会で「どんどん吸って早く死んで」←人の発言は文脈全体を知らないと、真意を知ることは出来ない。
2008年03月12日(水) 医療従事者は言葉を選んで患者にものを言って頂きたい。
2007年03月12日(月) 「東証、日興コーデの上場を維持」←有価証券報告書虚偽記載企業を上場廃止にしない株式市場の「信頼性」
2006年03月12日(日) <パラリンピック>苦難を乗り越え金メダル 小林深雪選手←障害者を特別扱いする必要は無いが、軽視するのは不公平だ。
2005年03月12日(土) 中西一善、里谷多英、中村七之助・・・。皆、「はた迷惑な酒飲み」だ。
2004年03月12日(金) 「死者192人、負傷1400人に=スペイン各地で抗議集会−列車爆破テロ」テロリストは頭が悪い連中だ。
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