外国為替証拠金取引
JIROの独断的日記
DiaryINDEXpastwill


2009年02月06日(金) 【翻訳】「取り返しのつかない危機に=500万人超の失業も オバマ大統領」(ワシントン・ポスト)←相変わらず感動的ですなあ。

◆記事:取り返しのつかない危機に=500万人超の失業も−オバマ大統領(2月6日1時15分配信 時事通信)

オバマ米大統領は5日付の米紙ワシントン・ポストに寄稿し、

「わが国は取り返しがつかなくなるかもしれない危機の深みにはまりこもうとしている」として米経済の現状に強い危機感を表明するとともに、

議会に対し景気対策法案の早期可決を訴えた。現職大統領自らが有力紙に寄稿するのは異例。

大統領は「米国民が必要な行動」と題した寄稿文の中で、「何も行動しなければ、景気後退は数年に及ぶ恐れがある」と指摘。

「米経済は500万人以上の雇用が失われ、失業率は2ケタに達するだろう」としている。

また大統領は、減税こそが景気回復を導くとする野党共和党などの主張は「見当違いの批判だ」として、受け入れない考えを表明した。


◆翻訳:アメリカが人必要とする行動。バラク・オバマ寄稿 (2009年2月5日(木)付 ワシントン・ポスト)

(原文のURL;http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/02/04/AR2009020403174_pf.html)

今までに明らかなとおり、我々は引き続き、大恐慌以来の深刻な経済危機に直面している。

何百万人もの人々がわずか1年前に就いていた職を失い、将来の為に貯めてきた貯蓄を取り崩している。

至る所で人々は、明日は一体何が起きるのだろうと心配している。

アメリカ国民が政府に望むことは、日々の生活で感じるせっぱ詰まった状況を打開するのに適した行動だ。

それは迅速で、大胆で、賢明で、今の危機を克服するもので無ければならない。



経済の状況が好転するのをただ毎日待っていても、更に多くの人々が失業し、貯蓄を減らし、住居さえ失うことになる。

もしも何もしなかったら、この不況は何年も長引く可能性がある。

アメリカ全体では、更に500万人の失業者が生じ、失業率は2桁(注:10%を超える、という意味)になるだろう。

我が国の経済危機は更に深刻化して、ついには取り返しが付かないところまで景気が落ちこむだろう。



私が、緊急経済対策を議会に提出するのは、その為である。この政策が実行されれば、

2年間で300万の雇用を創出することが可能である。我々政府は国民の95%に対して減税を実施する。

これによって、企業や家計の支出が増え、我々の経済を数年かけて強化するステップを踏み出すことが可能になるのだ。

この計画は、短期的なものというより、アメリカ経済が長期間に亘って、再生可能エネルギー、国民の健康増進、

そして教育、といった分野で成長することを可能ならしめる戦略であり、

これらの政策は、今までにないほどの透明性と、説明責任を伴って実行されることになろう。

それによって、米国民は、自分たちが納めた税金がどのように使われているかを、はっきりと知ることができるようになるのだ。



最近、我々政府は、この点に関して、見当違いの批判を受けてきた。

それは、減税さえすれば、全ての問題を解決出来るだろうという、誤った考え方に基づいている。

つまり、我々が、バラバラの政策を拙速に行い、エネルギーの自給や高額の医療費、を無視して、

根本的な政策を考えなくても、アメリカは繁栄するだろう、とする考え方である。



私はこうした考え方に反対である。

それは、昨年11月(の大統領選挙)において、「Change」に全面的に共鳴した人々とて、同じ意見だろう。

私に投票した人々は、あまりにも長い間、米国政府がこのような、間違った方向に向かっていたことを知っているのだ。

今、我々は、医療コストがいまだにインフレ率よりも早いスピードで増え続けていることを知っている。

我々が、他国の原油に依存することが、我々の経済と安全保障を脅かす結果を生んでいる。

我々はこのような「橋」や「堤防」が決壊したときの悲劇的結末を良く知っている。



毎日、我が国の経済は悪化しているが、今こそ救済策を発動し、失業者に職を与え、

経済を活性化し、長期的な経済成長の為に投資すべき時である。

今こそ、ヘルス・ケアによる保護を失いかけている8百万人の国民を守るときである。

全てのアメリカ国民の医療記録を5年以内にコンピュータで管理し、何十億ドルという経費を削減し、

数え切れないほどの命を救うべき時である。

今こそ、2百万戸の住宅を建設し、数十億ドルの経費を削減し、

連邦政府の建物の75%を省エネルギー構造に変え、3年以内に代替エネルギーによるエネルギー供給を倍増させるときである。

今こそ、10万にも及ぶ学校に最新鋭の教室を整備し、図書館、実験室を作り、数学や理科の教師たちを訓練することにより、

子供達に理想的な教育環境を与え、何百万人にも及ぶ子供が大学教育を受けられる夢を与えるときである。

そして、今こそ、雇用を創出し、道路や橋、堤防を作り直し、高性能の電力供給網を整備し、

国全体で高速インターネットの使用を可能にするときだ。



これらが、アメリカ国民が政府に、遅滞なく実行するのを期待していることだ。

国民は、景気が回復するまでには数ヶ月単位ではなく、数年単位の時間が必要であることを知っており、

それに耐える辛抱強さを持っている。

しかし、国民は、政党の党利により、これらの行動が阻止されるのを見逃すほど寛容ではない。



我々は選択を迫られている。

我々は、進歩を阻害する、ワシントン(の政界)の悪弊を放置することも出来る。

一方、我々は一致団結して、アメリカの歴史は、国民の為につくられるのではない。国民によって作られるのだ、

と言うことも可能なのだ。

我々は古いイデオロギーの対立や、党利・党略を超越した優れたアイディアを提案することが出来る。

我々は、共に大胆に行動し、今の危機をチャンスに変えることができる。

そして、現代の試練を克服し、歴史の次の偉大な一章を刻むことができるのだ。


◆コメント:要するに景気対策法案を、議会は早く可決しろ、と言いたいのです。

英語ってのは、面白いもので、普段の会話は、日本語と比べて言い回しが大雑把なのだが、

このように、思いっきりもったいぶった、書き方も出来る。

言っていることは、美しく、「今こそ」の言い回しを繰り返すことにより、読者の興奮を喚起するように、

計算が働いている、と意地悪く読むことも出来る。人間は同じ事の繰り返しを聴いていると(読んでいると)

興奮してくるのである。音楽で例を挙げるならば、ラベルの「ボレロ」は、その最たるものだ。

政策は間違っていないが、アメリカは銀行を潰さない様に巨額の公的資金を投入していて、財政的には

苦しいはずである。ここに書かれていることは、今すぐ実行すべきこと、とオバマ大統領は書いているが、

そんなに、おカネ、あるの?国債を発行して、日本や中国に買わせようというのではないのか?

ここに寄せられた、大統領自身の文章(ライターが書いたのだろうが)に、

ただ、感動するばかりではなく、こういうものを読むときは、「どうやって?」「何故?」と考えながら

読むことが、肝要である。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。



2008年02月06日(水) アメリカの大統領選の仕組みってのは、毎回、忘れるね。
2007年02月06日(火) 「日本『拉致問題に進展なければ北朝鮮支援はない』」政府は進展させる気があるのか。/【号外】「消防音楽隊を救う会」署名延長
2006年02月06日(月) 「茶番は止めろ」衆議院予算委員会の質疑者を見て下さい。
2005年02月06日(日) 「月曜の朝は血圧にご注意 仕事のストレスで急上昇?」 あたりまえだろ。(追記を含む)
2004年02月06日(金) 「患者が選ぶいい病院」は、意味が無い。医療機関評価機構という組織があるのだ
2003年02月06日(木) 日本政府がアメリカによるイラク攻撃を支持するだと!?・・・子供が殺されるのを黙って見ているということだ。

JIRO |HomePage

My追加