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JIROの独断的日記
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2009年01月29日(木) 「民主・岩國議員、政界引退を表明『大学教授に専念する』」←岩國議員を重用しなかった民主党の愚。

◆記事:民主・岩國議員、政界引退を表明「大学教授に専念する」(2009年1月28日22時27分 読売新聞)

民主党の岩國哲人衆院議員(72)(比例南関東)は28日、党本部で記者会見し、

次期衆院選に出馬せず、今期限りで政界を引退する考えを表明した。

岩國氏は「米国と中国の大学で10年以上務める客員教授の職務に専念する」と説明した。

岩國氏は前回衆院選で神奈川8区から出馬したが、小沢代表の要請を受け、昨年11月、同1区に国替えすることを決めた。

同1区では国民新党が公認候補を決めていたことから反発し、岩國氏の公認決定が遅れていた。

民主党は同1区に独自候補を擁立する方針で、候補者の選考を急ぐ。

岩國氏は島根県出雲市長を経て1996年衆院選で初当選。当選4回。


記事2:小沢代表に国替えを命じられた岩國哲人が公認漏れの危機(週刊文春12月 4日(木) 11時52分配信)

(http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20081204-00000000-sbunshun-pol)

次期衆院選に出馬する予定の民主党の衆院議員のうち、未だに党の公認が下りていない現職が二人いる。

岩手四区から東京十二区などへの国替えを検討している小沢一郎代表と、神奈川一区の公認内定者にとどまっている

当選四回の岩國哲人元副代表(比例南関東ブロック)だ。

出馬する選挙区が確定すれば自動的に公認される小沢氏と違い、深刻なのは岩國氏である。民主党の選対関係者が解説する。

「現職組はほとんど九月中旬の第一次で公認されています。小沢氏は別にして、この時点で漏れたのは岩國氏と東京十九区の末松義規氏の二人だけでした。

『情勢調査の数字が悪すぎる』という理由です。ほかの役員から『情において忍びない。現職は一律でいいじゃないか』

と再考を求める意見も出ましたが、小沢代表は頑として首を縦に振りませんでした」

落ちこぼれコンビは十月下旬の第二次公認で明暗を分ける。「相手候補との差が縮まってきた」として滑り込んだ末松氏に対し、

岩國氏は「努力が足りない」とまたも小沢氏に蹴られた。

しかも従来の選挙区の神奈川八区では無所属の江田憲司氏に勝てないと烙印を押され、国替えまで言い渡されたのである。

踏んだり蹴ったりはさらに続く。岩國氏は神奈川一区への転出を受け入れ、小沢氏同席の下で十一月十九日に横浜市で記者会見を開いた。

今度こそ「公認」のお墨付きを得られると本人は思ったに違いないが、小沢氏は言質を与えなかった。

情勢調査を実施した上で判断するという原則論に加え、神奈川一区で独自候補擁立を決めている国民新党から

『岩國氏を公認するなら南関東ブロックでの選挙協力を白紙に戻す』と横やりが入ったためです」(前出・選対関係者)

岩國氏はメリル・リンチでニューヨーク本社上席副社長まで務めた元国際金融マン。

島根県出雲市長時代にはアイデア市長として全国的に知られ、ユーモアに富んだ演説には定評があり、党内で五指に入る人気弁士だ。

見るに見かねた後見人格の羽田孜元首相が小沢氏に会い「政策面でも選挙でも彼は党に貢献してきた。

そうした要素も考慮してやってくれ」と頭を下げたが、小沢氏側近の一人は、

「国民新党の郵政票はバカにならない。『大事の前の小事』と代表は考えているのでは」

と非公認に終わる可能性が小さくないとの見方だ。(週刊文春12月11日号「THIS WEEK 政治」より)


◆コメント:岩國さんを重用しなかった民主党の愚かしさ。

岩國さんは、多分、現職国会議員の中で最も有能な人材である。

元・メリルリンチ本社上級副社長だった人である。この意味が分かる人には、分かるであろう。

メリルリンチは、かつて、ゴールドマンサックス、モルガンスタンレーと共に、米国の3大投資銀行の一つだった、超巨大金融会社であった。

007年以降のサブプライムローンショックで巨額の損失を出し、昨年、バンク・オブ・アメリカの買収されてしまったが、

リーマン・ブラザーズが破綻するとか、メリルリンチが買収されるなどということは、ほんの数年前まで、

地球上の誰も予想だにできなかった。それほどの世界に冠たるファイナンシャル・カンパニーなのだ。


そのメリルリンチ本社(日本法人ではない)の上級副社長だったのが岩國哲人(てつんど)さんである。

元々、東大を出て日興証券に入社したが、ロンドン支店勤務になった。人事異動で帰国の内示が出たが、

娘さんの教育の関係で英国に残りたかった岩國さんは、日興証券を辞めて、モルガン・スタンレー・ロンドンに転職した。

そこで頭角を現し、欧米の金融界では、優秀な人はよりよい条件の会社に転職するのがむしろ当然で、

ついに、天下のメリルの副社長に(勿論、日本人としては初めて)就任した人である。

マンハッタンの億ションに住み、毎朝、でかいリムジンが迎えに来る。帰りも当然同様である。

生き馬の目を抜くウォール街で、殆ど頂点にまで上り詰めることがどれ程ものすごいことか。

イチローが大リーグで活躍したり、世界一のオーケストラ、ベルリン・フィルの第一コンサートマスターが日本人の安永徹さんである、

ということに匹敵するぐらいの偉業だ、といっていい。


◆メリルリンチ上級副社長から、故郷の出雲市長に。

岩國さんが、メリル・リンチ・ニューヨーク本社上席副社長に就任したのは、1987年だったが、その僅か2年後、

1989年、故郷の島根県出雲市の市長に出馬してくれないかと頼まれ、メリルを辞し、出雲市長選に出て当選した。

立候補時の公約(100だったか、110だったかやや記憶が曖昧)を次々と実行し、就任後、わずか2年で「出雲市」は、

トヨタ、ソニーなどと並び日本で最も優れた「企業」として、JMA(日本能率協会)マーケティング最優秀賞を受賞した。

前代未聞、空前絶後のことだ。

その頃のいきさつは、岩國さんの著書、男が決断する時―国際金融界から出雲市長へを読まれたい。

金融界の代名詞ウォール街で大成功した人にとってみれば、大して難しい仕事ではなかったのであろう。

岩國さんは、国会議員としても非常に有能だった。

私は、2005年9月の「郵政民営化選挙」の際、読者から「どういう体制が望ましいと思うか?」と訊かれたので、

岩國哲人氏が民主党党首となり、民主党が政権を取るのが理想です。

と答えたことがある。それは、「お前はどこの政党の誰を支持するのだ」とのお訊ねがありましたので(既に書いてるんですが)。 に書いた。


2005年1月の衆議院予算委員会で当時の福井日銀総裁を参考人招致した際、

ゼロ金利が政策が続いたいることにより、国民が失った得べかりし利子が累計で154兆円である、と証言させたのも岩國さんである。

「消費者物価マイナス脱す 量的緩和、解除へ一歩」←日銀の「解除条件」を良く読め。

岩國さんと福井総裁の質疑応答を衆議院会議録から引用しているので、ご覧頂きたい。

こういう発想が出来る国会議員は他にいない。一企業の経営と国家全体の経済(マクロ経済)は、

厳密に言えば異なる専門性であるが、岩國さんほど、経済・金融・財政に通暁している人はいない。

これほどの人物であるのに、12月、記事2に転載した「週刊文春」を読み、

小沢一郎は今度の衆院選で岩國氏を公認にしないつもりであると知り、愕然とした。

最も優秀な国会議員を公認しない小沢は恐らく、岩國さんがあまりに優秀なのが、恐いのであろう。

しかし、小沢が代表になる前も、民主党は岩國さんを党の要職に就けていなかった。

民主党で本当に信頼出来る議員は、岩國さんと、社会保険庁の年金掛け金流用に始まり、

年金台帳の管理の杜撰さを全て暴いた長妻昭衆議院議員ぐらいのものだ。

2007年7月の参議院選挙で、野党が参議院の過半数を取ることが出来たのは、長妻議員のおかげ、といっても決して過言ではない。


岩國さんは極めてまともな仕事をしているのだが、それだけでは通用しないのが、政治家どもの世界なのだろう。

散々汚い世界を目の当たりにして、岩國さんはいい加減嫌気が差したのだろう。

これで、私がかつて民主党を支持した理由はなくなった。しかし、だからといって自民党が良いとも思えない。

ただ、岩國哲人さんほどの人材を重用しない民主党のバカさ加減が良く分かった。

仮定上の話だが、もし、岩國さんが内閣総理大臣になっていたら、今の自民党の誰よりも斬新なアイディアを発案していただろう、

と考えると、残念でならない。

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