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JIROの独断的日記
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2008年01月14日(月) 【地球温暖化】NHK「未来への提言」を文字に起こしました。温暖化の最新情報です。

◆NHK総合(再放送)「未来への提言スペシャル 「地球温暖化に挑む・世界のキーパーソンからのメッセージ」前半のスクリプトです。

世の中でブログを書いている人は多いし、地球温暖化に関して書いている人も大勢いるでしょうが、

こういう馬鹿なことをするのは私ぐらいじゃないでしょうか。

温暖化に関して全部説明するとすごいことになるけど、この番組では、とりあえず前半で、

温暖化により南極やグリーンランドの氷床が大規模崩落した場合の危険に絞って説明していたのです。

分かりやすかったけど、テレビで聞いたことなんてすぐに忘れてしまうでしょう?

だから、文字にして記録しておこうと思いました。

全部は無理ですが温暖化の深刻さを説明した前半をテープ(じゃないけど)起こししました。

温暖化がどれぐらい、ヤバいか。ということを知るために、適当だと思います。


◆スクリプト:未来への提言スペシャル 「地球温暖化に挑む・世界のキーパーソンからのメッセージ

アナウンサー:それでは、まず地球温暖化の危機をいち早く警告してきた、温暖化研究の権威、

NASAゴダード宇宙研究所所長のジェームズハンセン博士のメッセージをご覧下さい。毛利(衛)さんがインタビューしました。

ナレーション:ニューヨーク、マンハッタンにあるNASAゴダード宇宙研究所。

ここはNASAの地球温暖化予測チームの本拠地です。およそ150人の研究員が地球の気候を再現するコンピューターモデルを作り、未来の予測に取り組んでいます。

この研究所の所長を務めるのが、ジェームズハンセン博士です。ハンセン博士は1970年代から温暖化のメカニズムの研究を始め、将来、人間の活動が大規模な気温上昇を引きおこすと予測。

一刻も早い対策が必要だと社会に訴え続けてきました。

NASAの主要な任務の一つが地球の観測です。Earth Observing Systemという、衛星のネットワークによって、地球の状態をリアルタイムで観察しています。

17の衛星が大気の成分や水の動き、地表の変化、海面の水位や温度、氷の面積など、膨大なデータを収集し、

温暖化の分析に役立てているのです。ハンセン博士を訪ねて毛利さんがニューヨークにやってきました

共に宇宙からの視点で地球を見つめてきたふたり。温暖化は、実際、今、どこまですすんでいるのでしょうか。

毛利:どうやら、世界は地球の気候の問題に関心を持ち始めたようなのですが、ハンセンさんの今の地球環境に関する理解は、どのようなものでしょうか?

ハンセン:私は地球の危機だと思っています。非常事態です。今起きていることは、まだあまり目には見えにくいので、一般の人たちには理解が難しいかも知れません。

でも、気候を注意深く観察している人は気付いているはずです。数十年前に比べて今は少し違う。春が一週間ほど早く来て、秋が少し長くなり、夏に暑い日が増えた、と感じているでしょう。

まだ、大きな変化には見えないですが、実はこれは大問題なのです。目に見える変化がまだ小さいのは、地球のシステムが、今までの状態を保とうとする力を持っているからです。

海は平均4000メートルもの深さがあり、人間が起こした変化に反応するまでに時間がかかります。しかし、その間にも温暖化は進行しているのです。

ナレーション:この100年、地球の平均気温は上昇を続けています。温暖化の原因については自然の変動なのか、それとも人間の所為なのか、長年議論が続いていました。

しかし、観測データの集積によって予測の精度が上がった結果、世界の3,000人を超す科学者の集まりである、国連IPCCは、去年、ついに、温暖化は人間の活動の影響だとほぼ断定しました。

このまま二酸化炭素の排出が増加した場合、2100年に平均気温は何度上昇するのか。ハンセン博士は現在より2.7℃上昇すると予測。

これは、日本のチームの予測よりも低めの値ですが、もし100年で2.7℃上昇すれば、大規模な気候変動を引きおこす、と警告しています。

今より2℃上がると、海水の温度も上昇し、熱帯性低気圧が急速に成長するため、台風やハリケーンが強さを増します。最大風速も強まり、甚大な被害をもたらします。

大雨も増加。世界各地で洪水のリスクが高まり、多くの人が命や財産を失います。100年に一度しか起きなかったような熱波や干ばつがより頻繁に起こるようになります。

対策を取る余裕のない貧しい国々を中心に水不足が深刻化。食料生産が減って飢餓や栄養失調に陥る人が増加します。多くの人々が故郷や家を失い難民になると見られています。

温暖化は私たちの生活基盤を大きく破壊してしまうのです。

ハンセン博士:地球の平均気温がわずか1℃か2℃上昇しただけで、地球は今とは全く違った姿となり、多くの生物種は絶滅してしまうでしょう。

このまま温暖化が進んでいくと、私たちは、後戻りできない危険なポイントを超えてしまうかも知れません。それは非常に大きな気候変動を引きおこします。

ナレーション:2007年夏、日本はかつて無い猛暑に襲われ、観測史上最高の40.9℃を記録しました。そのとき、北極でも世界の科学者を驚かせる異変が起きていました。

これは、NASAの衛星で観測した北極海の夏の海氷面積の変化です。この30年間ずっと減少傾向にありましたが、去年は急激に減少して過去最少を記録。

これまでの予測を30年以上先取りする急速な変化でした。また、南極大陸でも温暖化の兆候が現れていたことが新たに分かりました。

南極大陸は「氷床」と呼ばれる厚さが最大4,000メートルの分厚い氷で覆われているため、内陸部は温暖化の影響を受けにくいと考えられてきました。

ところが去年NASAが南極大陸の衛星画像を詳しく分析した結果、内陸部の西側の広い範囲で、表面の雪が溶けるという異常な事態が起きていたことが初めて明らかになりました。

(図表)黄色や赤で示したのが雪が溶けていた場所です。広さ42万平方キロメートル、日本列島とほぼ同じ広さです。

北極や南極の広大な氷は、地球を温暖化から守る大切な役割を果たしています。白い表面が太陽光線を反射するため、熱を吸収しにくく、地球の大気を冷やす効果があるからです。

ハンセン博士は極地の氷が溶けるスピードが加速していることに、懸念を示しています。

将来、小さな変化が突然巨大な変化を引きおこす危険なポイント、「ティッピング・ポイント」(tipping point)を超える可能性がある、というのです。

(注;毛利さんのハンセン博士へのインタビューに戻る)

毛利:私も昨年南極に行ってきたのですが、南極大陸は非常に大きなかたまりですよね。

すぐに数年のうちに影響するということはなかなか実感としては考えられなかったのですが、グリーンランドとか、南極の西のほうで氷床が急に溶けると。

それをティッピング・ポイントという言葉で表現なさったと思うのですが、もう少し詳しく教えていただけますか?

ハンセン博士:ティッピング・ポイントとはある現象が、突然急激で大きな変化を起こす臨界点のことです。

温暖化によって起こる現象が、ますます温暖化を進め、連鎖的で大規模な変化をひきおこしてしまうのです

非常に深刻な事態を招くティッピング・ポイントが、南極とグリーンランドの氷床で起こる可能性があります。

我々が宇宙から観察した結果、これらの氷床は急速に変化する怖れがあります。

5年ほど前に打ち上げた重力を測定するNASAの衛星によって、グリーンランドや南極の氷床の質量が、高い精度で分かるようになりました。

グリーンランドの氷床はいま年間150立方キロメートルずつ減少しています。南極西部の氷床もほぼ同じ割合で減少しています。

今はまだ大規模な海面上昇に繋がるような規模ではありません。しかし問題は、氷床が溶けるスピードが速くなりはじめていることです。氷床が将来、大崩壊を起こす危険性があるのです。

ナレーション:南極大陸の氷床は、地球上の淡水の70パーセントを占める巨大な氷の塊です。

氷床が海に張り出した部分を棚氷(たなごおり)といいます。氷床が海に流れ出さないように外側から守り、安定させる、フタの役割を果たしています。

ハンセン博士温暖化が進んで、「ティッピング・ポイント」を超えると、氷床が溶けて海に流れ出す可能性がある、と考えています。

気温が上がると、氷床に水たまりが出来ます。水は氷に比べて色が濃いため、太陽熱を吸収して暖まり穴を拡げます。

次第に氷は穴だらけとなり、もろくなります。また、海の水温の上昇で棚氷も下から薄くなっていきます。やがて、棚氷が割れて海に落ちます。

このとき氷床は「ティッピング・ポイント」を超えます。フタをしていた棚氷が無くなり陸の巨大な氷が次々に崩れ落ちるのです。

2002年、温暖化の影響と考えられる大規模な棚氷の崩壊が実際に南極で起こりました。NASAの衛星がその姿を捉えました。

「ラーセンB」と呼ばれる、東京都の1.5倍ほどの広さの大きな棚氷が、わずか35日間で崩落したのです。この時、7200億トンの氷が海に流れ出しました。

ハンセン博士: 最初の変化は非常に小さいものです。しかしある時、突然大きな変化が起こり氷床が大崩壊するのです。

いつ起こるか予測するのは非常に困難です。しかし、地球の過去の歴史を調べると氷床の崩壊は何度も起きています。

ナレーション:氷床の崩壊は海面の水位に大きく影響します。陸地にあった氷が溶けることで水位が上がるからです。

(図表)これは過去45万年の気温と海面水位の変化です。気温と海面水位は、ほぼ同じように上下動し、密接な関係があることが分かります。

ハンセン博士は今から1万4千年前、最後の氷河期の終わりに起きた大変動に注目しています。

この時、大幅に気温が上昇するとともに、100年あたりで5メートルという急速な海面上昇が起きていたのです。

ハンセン博士:南極の巨大の氷床が崩壊した場合、海面水位が100年以内に1メートル以上、恐らく数メートルの急激な上昇を起こす可能性があります。

大変危険です。世界の多くの年は海沿いにあり、膨大な人口が暮らしているからです。私の考えではこのまま二酸化炭素を出し続ければ、海面水位の大幅な上昇は避けられません。

ナレーション:海面上昇は世界各国に、大きな被害を及ぼします。ツバルやモルジブのような珊瑚礁の島国は国土の殆どを失います。

日本でも被害が予測されています。東京などの大都市圏は海に面しているからです。(図表)これは東京湾の海面上昇に伴う被害地域の予測図です。

およそ60センチの海面上昇が起き、満潮時に台風による高潮が襲うなど、最悪の場合を想定しています。赤色が水没の怖れのある地域です。

1メートルに満たない海面上昇でも首都圏の400万人以上が影響を受ける、と予測されています。

また、ニューヨークや上海など世界の多くの大都市が海に面しています。影響ははかりしれません。


ハンセン博士:残念ながら、この温暖化の問題に関しては慎重に研究し、議論し、98パーセント確実、という答えを出してからでは遅いのです。

我々は氷床の崩壊を許す訳にはいきません。もし、「ティッピング・ポイント」を超えたら、元に戻すことは不可能です。

気候は人類のコントロールを超え、大変な被害を引きおこします。あと10年議論しようというような時間はないのです。

数年以内に行動を起こさなければなりません。過去の地球の歴史を見れば、現在よりも1℃高い気温になったとき、海面水位が大きく上昇し始めていることをわすれては、ならないのです。

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2007年01月14日(日) 「不二家:腹痛やおう吐を訴える苦情数件 問題発覚後」←恥ずかしい人がいるものだ。/対照的に良心的な三重県のカキ
2006年01月14日(土) 「国家の品格」の著者、藤原正彦氏に関する補足的知識
2004年01月14日(水) 「空自先遣隊 バスラ空港を視察」 これで、東京はテロの攻撃対象になりました。

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