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JIROの独断的日記
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2007年08月09日(木) 「小沢VS米大使 政権担当能力に疑問符がついた(8月9日付・読売社説)」←読売論説のバカさ加減にあきれる。

◆記事:小沢VS米大使 政権担当能力に疑問符がついた(8月9日付・読売社説)

これでは民主党に政権担当能力はない、と判断されても仕方がないだろう。

民主党の小沢代表とトーマス・シーファー駐日米大使が、テロ対策特別措置法の延長問題をめぐって党本部で会談した。

シーファー大使は、海上自衛隊が多国籍軍への洋上給油活動を継続することに、民主党の協力を要請した。

しかし、小沢代表は「ブッシュ大統領は『これは米国の戦争だ』と、国際社会のコンセンサスを待たずに戦争を始めた」と強調した。

「日本は米国中心の活動には参加できないが、国連に承認された活動には参加したい」とも語った。

国連安全保障理事会決議の承認を得ていない現在の海自の活動には反対する、という理屈のようだ。

この主張は明らかにおかしい。

海自の活動は、多国籍軍のテロ掃討作戦の一環である。2001年9月の米同時テロ後に採択された安保理決議1368に基づいている。

アフガン国内で米英仏加韓など約20か国が、インド洋では日米英仏独パキスタンなど8か国の17隻がそれぞれ活動している。

テロ掃討作戦は、小沢代表が言うような「米国の戦争」ではない。国際社会による対テロ共同行動である。

小沢代表は、国連安保理決議1386に基づくアフガニスタン国際治安支援部隊(ISAF)への参加は可能だ、との考えを示した。

しかし、それは、日本にとって、現実的な選択肢ではあるまい。

米政府は再三、陸上自衛隊の輸送ヘリコプターのISAF派遣を打診しているが、日本側は「危険だ」と断っている。

現在の海自の給油活動は、はるかに危険が小さい。国際的な評価も高く、国益に合致した人的貢献策と言える。

アフガンでは、旧支配勢力タリバンが勢いを盛り返している。国際社会の対テロ活動は、今が正念場だ。

シーファー大使は会談で、「日本の貢献は、日本と世界の治安にとって重要だ」とも指摘した。

小沢代表は、日本自身が国際テロの標的とされている当事者であることを忘れたのではないか。

民主党は参院選公約で、「相互信頼に基づいた、強固で対等な日米関係」の構築を訴えた。

小沢代表と大使の会談は、民主党の要請で、報道機関に全面公開された。

「米国に言うべきことは言う」という姿勢を示し、民主党の存在感をアピールする狙いなのだろう。

だが、小沢代表から、日本が「国益」を踏まえてどう行動するか、という発言はなかった。極めて残念である。

(2007年8月9日1時35分 読売新聞)(注:太線は引用者による)


◆コメント:海上自衛隊の活動が何故、国連決議1368に基づいているといえるのか、不可思議である。

産経は論外として、読売もしばしば、集団的自衛権の議論を進めるべきだ、とか、バカなことを書くが、

今日ほどバカなのも、珍しいよ。

安保理決議1368は、911テロの翌日、採択されたものであるが、ここには、特定の国の武力行使を認める文言は全く含まれていないのである。

海上自衛隊のインド洋での活動が、安保理決議1368に基づいているだと?

(注:リンクしたのは、私が安保理決議を自分の都合の良い様に改竄する余地をなくす為である)。

文章は頭から読んで貰いたい。安保理決議1368の冒頭には、こう書いてある(リンク先で確かめてください)。

安全保障理事会は、

国際連合憲章の原則及び目的を再確認し、

テロ活動によって引き起こされた国際の平和及び安全に対する脅威に対してあらゆる手段を用いて闘うことを決意し、(以下略)

読んで明らかなとおり、「国際平和に対する脅威に対してあらゆる手段を用いて闘うことを決意し」たのは、

「国連安全保障理事会」であり、「アメリカ」とも、「日本の海上自衛隊」とも書いてない。

どのような手段を用いて闘うか、これから決めるのである。武力行使を行うことすら決まっていない。

とにかく、何度でも安保理決議1368を読んで、

ここから、海自のインド洋における活動が正当化されるかどうか考えていただきたい。


◆日本の「国益」のためには、アフガニスタンの一般市民が殺されるのは仕方がないのか?本気か?

アフガン侵攻は、アメリカが、「911テロの実行犯への復讐」の為に行っているが、これは自衛権に相当しない。

自衛とは、自国が攻められたときに反撃することである。

国内法と国際法を混同してはいけないが、もののたとえとして、日本の刑法になぞらえて書くと、こうなる。

私たちの家に強盗が押し込んできたら、棒を振り回して追い払っても良いが(正当防衛)、

後日犯人の居所が分かったとしても、こちらから押しかけて、仕返しだ、といって、相手を殴ったら、暴行か傷害の罪に問われる。

アメリカは、それをやったのである。しかも、真犯人はまだ分かっていないのに、911はタリバンの仕業と決めつけ、

犯人が潜伏していると思われる場所だけではない。一般市民が住む地帯に雨あられと爆弾や、ミサイルを投下し、打ち込んだ。

山岳地帯に逃げた市民は、救援物資の補給路をアメリカ軍が断ったため、零下20度の極寒の中で、餓死するか、凍死した。

アフガンで捕らえた捕虜に対する米兵の拷問も報告されている。

これを支持することが、日本の国益なのか。

日本人が毎日、たらふく食って、アホなテレビドラマを見て、夏は涼しく、冬は暖かい家で暮らせるならば、

遠い、アフガニスタンの子供達が飢え死にするのは、知ったことではないのか?


そんな、自分勝手な国益があるものか。憲法前文をもう一度読め、と読売のバカに云いたい。

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