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JIROの独断的日記
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2006年09月02日(土) 「台風12号はカトリーナ級、変身台風が急増中」←ハリケーンが東経180度を西に越えると「台風」となるわけです。

◆記事:台風12号はカトリーナ級、変身台風が急増中

ハリケーンから“変身”した台風12号が太平洋を西北西へ進み、小笠原諸島に接近している。
勢力は一時、2005年8月に米国南部に壊滅的な被害をもたらしたハリケーン「カトリーナ」に「匹敵するレベル」(気象庁)にも達した。

12号は3日には日本の東端・南鳥島を直撃する可能性が高く、駐在する気象庁職員や自衛隊員ら39人全員が島から脱出する事態になっている。

近年、ハリケーンが日付変更線を越えて台風に変わるケースが増加しているが、原因については専門家も首をひねっている。

気象庁によると、12号はもともと8月21日、北太平洋の西経側で「ハリケーン」として発生。

その後、西へ進み、同27日には日付変更線を越えて東経側に入ってきたため、「台風」となった。 (読売新聞) - 9月2日14時33分更新


◆コメント:台風とは何か

気象庁の定義によれば、「熱帯の海上で発生する低気圧を「熱帯低気圧」と呼び、

このうち北西太平洋(赤道より北で東経180度より西の領域)又は南シナ海に存在し、低気圧内の最大風速(10分間平均)がおよそ秒速17メートル(34ノット)以上のもの」。

一般的に、台風は上空の風に流されて動き、地球の自転に影響されて北へ向う性質を持っている。

このため、東風が吹いている低緯度では、台風は西へ流されながら次第に北上し、中緯度・高緯度では強い西風(偏西風)がふいているので、これに押されて北東に進む。

緯度の低いところでは海面が暖かく、水蒸気が上昇気流となり、上空に至ると冷やされ、凝結し、雲粒を形成する。台風はこの時に放出される熱をエネルギーとして発達する。

しかし、移動する際に海面や(上陸すれば)地上との摩擦により絶えずエネルギーを失っている。

また、北上すれば当然、海面の水温は下がるので、水蒸気量が減る。つまりエネルギーの供給が少なくなる。

これが、台風が次第に弱まる仕組みである。


◆ハリケーンとは何か

ハリケーンも熱帯低気圧であるが、最大風速が時速119km(秒速約33メートル)以上のもので、かつ発生地域が、


  • 大西洋北部(カリブ海、メキシコ湾あたり)

  • 大西洋南部(殆ど発生しない)

  • 太平洋北東部(赤道より北で、西経140度より東の太平洋)

  • 太平洋北中部(赤道より北で、西経180度〜140度の太平洋)


のものを言う。


◆ハリケーンが東経180度を西に越えると「台風」と呼ぶわけである。

あるハリケーンが東経側に入ると、「台風」と呼ばれる。

厳密にいうと熱帯低気圧分類の国際基準があり、東経側にはいり、

国際基準でいうところの「トロピカル・ストーム」(中心付近の最大風速が秒速17.2〜24.4メートル)以上の勢力を保っていれば、

「台風」と呼ばれる(ハリケーンが東経側に入っても、勢力が衰えていれば、当然、「台風」とは言わない)。


◆過去におけるハリケーン→台風の例。

1986年、太平洋北東部で発生した熱帯低気圧Georgetteは、台風11号となった。

但し、「猛烈なハリケーンの記録」に載っていないところを見ると、大した勢力ではなかったものと推察される。

また、1997年に太平洋北中部で発生したOliwaが、やはり東経に入り、台風19号となった。読売の「急増中」が本当かどうか、検証できない。


◆今回の台風12号で気象関係者が危惧する点。「勢力が強いままで、進行速度が遅い」。

元々の勢力が非常に強かったこと。冒頭に引用した読売の記事には、「一時、ハリケーン・カトリーナに匹敵するレベル」だったと書いてある。



「ハリケーン・カトリーヌ」とは丁度1年前、フロリダを中心に甚大な被害をもたらした猛烈なハリケーンで、

中心付近の最低気圧は上陸前には902ヘクトパスカルで、アメリカ観測史上6位、

上陸すると、前述したとおり、勢力は衰えるのだが、カトリーヌは上陸後の最低気圧が920ヘクトパスカルで、これはアメリカ観測史上第3位、というものすごい勢力を保っていた。



今回日本に上陸するかも知れない台風12号は、最盛期は過ぎたものの、一番強いときには、「カトリーヌに匹敵するほどの猛烈なハリケーンだった」非常に強い台風である。

日本時間、9月3日午後12時40分現在、中心位置は南鳥島の北西約140kmであるが、

いまだに中心気圧が945ヘクトパスカル、中心付近の最大風速がなんと秒速45メートル(時速162km)というすさまじさである。



そして、台風そのものの進行速度が時速25kmとかなり遅いので、進路予想円も非常に広くなんとも言えないが、

最も西よりのコースをとったら、3日後(9月6日)ごろ、関東にまっすぐやってくる。

最も東よりのコールをすすんだら、陸地から1000kmぐらい離れた海上を北上するので、あまり被害は無いだろう。

予報円の中心付近のコースをすすんだら、東日本には上陸しないが、北日本に接近する恐れがある。


◆注目されるもう一つの理由及び、私的所見。

上述の通り、西経で発生した熱帯低気圧が東経地域に「越境し」て、台風と呼び名が変ることは過去にもあったのだが、

今回ほど強い勢力のまま日本に近づく「ハリケーン→台風」は例がなく、

もしも、これが日本に上陸したら、観測史上初めての出来事になるのである。



台風の進路予想は難しいようで、専門家のサイトを見ても「多分、北へ逸れるだろう」という人がいる反面、TBS系列の森田さんは関東接近の可能性を危惧している。

こうした場合、危機管理の原則としては、最悪のケースを想定するのが常識であるから、川沿い、山沿いに居住する人は勿論、都市部でも停電の備えぐらいしておいても良いだろう。



企業の総務・管理担当者なら、台風により従業員が出勤できなくなったり、逆に帰宅できなくなったときのディザスター・プランを点検しておくべきである。


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