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JIROの独断的日記
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2005年11月16日(水) 「年内輸入再開の方針伝達 首相、米国産牛肉で」これは、殆ど犯罪といっていい。

◆記事:年内輸入再開の方針伝達 首相、米国産牛肉で

 

 小泉純一郎首相は16日に京都迎賓館で行われた日米首脳会談で、懸案の米国産牛肉の輸入再開問題について、

「内閣府食品安全委員会の正式な答申を受けて、政府がしかるべき措置を取る」と言明、年内輸入再開の方針を伝えた。

 ブッシュ米大統領は、中国について「今後大きなプレーヤーとなる」と分析し「日米関係が良ければ中国も対日関係、対米関係を強化しようと思うのではないか」指摘。

小泉首相は日中関係の現状について「いくつか問題があるが、自分が首相に就任してからも、いろいろな分野で強化されている」との認識を示した。

 大統領は、牛肉輸入再開問題について「議会などの関心が非常に強い」と指摘。

 首相は「できるだけ早期に日米間で双方向の牛肉貿易を再開したいと希望している」と応じ、

 食品安全委プリオン専門調査会の答申案で年内の輸入再開に道筋が付いたことを説明した。(共同通信) - 11月16日21時3分更新


◆コメント:首相には、日本国民に対する「殺人の未必の故意」がある、と思われます。

 

 あまりにも腹が立って、本気で書き出すととまらなくなりそうなので、できるだけ手短に述べます。

 アメリカ国内における、牛肉の衛生管理体制に関しては、10月30日にやや詳しく書いたので、ご参照下さい。

 アメリカの牛肉は、管理が不徹底です。

 米国は、日本が全頭検査を要求したら「非科学的だ」といい、月齢20か月未満の牛からBSE感染が発見されたことはないから、

 これは、安全だから、さっさと輸入を再開せよと言っています。

 しかし、20か月未満の牛から今までBSE感染が発見されていないから、安全だというのは、全くの偶然に過ぎないかも知れない。

 実際に、日本では生後21か月の牛の感染が発見されたことがあるのです。

 21か月が感染しているならば、19か月だって感染しているかも知れない。

 また、これは読者の方がメールで仰っていたのですが、現時点において、20か月未満の牛のBSE感染を発見する検査技術が無いだけかも知れない。

 確かにそうです。

 そして、そもそも、アメリカの牛は正確な月齢が記録されていない。

 これは、一度欧米に住んでみると分かるのですが、日本人のような几帳面さが欧米人には無いのです。いい加減なのです。

 事務作業なんか、本当に日本人は優秀だと思います。

 日本のコンビニとかドトールコーヒーでアルバイトをしている女の子の方が、イギリスの大手銀行の窓口の人間より10倍ぐらい処理が早く正確です。



 話が逸れました。

 要するに、仮に20か月未満の牛の肉は安全であるとしても、アメリカの牛の月齢が本当は分からないのです。

 肉質からなんとなく見当を付けるという恐ろしく杜撰な方法です。

 つまり、30か月の牛を「15か月だよ、安全だよ」と云うことがあり得ます。



 最後に、BSEの原因となる異常タンパク質プリオンがたまりやすい脳や脊髄を「特定危険部位」(SRM:Specified risk material)と言いますが、

 これが米国牛肉から本当に、確実に除去されているかどうか、極めて疑わしいのです。

 今年、8月15日、米国農務省は、「BSE(牛海綿状脳症)のまん延防止策の一環として実施している脳や脊髄(せきずい)など特定危険部位(SRM)の除去について、

 今年5月までの1年半の期間に手続き違反が全米で1036件も見つかった」と発表しました。

 翌日、さすがにこれはひどい、というので日本の農水省と厚生労働省は、アメリカ側に「一体どういうことだ?」と説明を求めました。

 しかし、それ以来、詳細な情報は伝わってこない。

 特定危険部位除去違反に関して、どうやらアメリカの農務省はそれを知っていながら黙認していたらしいのです。

 何故、放っておくのかというと、分かりませんけど、なにしろ彼らは肉食民族ですから、肉を食わないわけにいかない。

 「いちいち、細かい事、気にするな」という感覚のようです。


◆この状態で輸入を再開すると簡単に請け合う内閣総理大臣。

 

 あまりにもひどくないですか? どう考えても危ないですよね。

 日本の厚生労働省は、今年5月31日、「1980年から1996年の16年の間に、1日でも英国に滞在したことがある人は、献血しないでくれ」という通達を発しました。

 つまり、この期間、危ない肉骨粉を食べていた牛の肉を一度でも食べた人は、人間のプリオン病、クロイツフェルト・ヤコブ病に感染していて、

 この病気は潜伏期間が何十年もある場合があるので、これから発症するかも知れない。

 該当する人の血を他の人に輸血したら、その人もクロイツフェルト・ヤコブ病になる可能性がある、というのが理由です。

 そこまで、厳密な対応をしておきながら、一方ではアメリカから、月齢が正確に分からず、

 特定危険部位が本当に綺麗に除去しているか分からない牛肉や、牛肉加工食品の輸入を再開するという。

 プリオン委員会という専門家の委員会は9月12日まで、米国牛は危険だといっていたのに、

 10月、手のひらを返したように、「輸入を再開しても良いだろう」というレポートを出すのは、

 小泉首相が来日するブッシュに土産を渡すために、圧力をかけたとしか考えられません。


◆未必の故意

 

 「未必の故意」とは法律用語です。

 刑法では或る犯罪をわざとやったのか、うっかりやったのかを「故意」と「過失」という言葉で表現します。

 未必の故意とは、たとえば、人通りがもの凄い、渋谷の通り沿いに立っているビルの屋上から、

 煉瓦かコンクリートブロックを地面に向って投げ落としたら、人の頭を直撃して、死亡したというようなケースにおける「故意」です。

 つまり、「誰か特定の相手ではないが、これをやったら、誰かに危害が及ぶ可能性が極めて高いことを認識していながら、

 そうなっても良いと考えて、その危険な行為を実行する意思」
です。

 私が小泉首相には日本国民に対する、殺人の未必の故意があるというのは、

 首相は「米国産牛肉はBSEに感染している可能性がかなり高く、感染した肉を人間が食べれば、クロイツフェルト・ヤコブ病に罹患する可能性があること、

 そして、クロイツフェルト・ヤコブ病は現時点では、発症したら治療法がない」ことを知っているのに、

 米国産牛肉の輸入を再開して、日本人に食べさせようとしているからです。

 これは、「誰かがBSE感染牛肉を食って、クロイツフェルト・ヤコブ病になって死ぬかもしれないが、構わない」と考えていることに他ならない。

 これが、殺人の未必の故意でなくて、何でしょうか。

 恐ろしい指導者ですね。

 そして、ここで述べたぐらいのことは当然承知している大新聞、テレビ局が政府批判をしない。

 この国は全体主義国家ですか?


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