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JIROの独断的日記
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2005年05月18日(水) 「ウズベク避難民、キルギス国境沿いに1万人」 ウズベキスタンでは何が起きているのか。

記事1:「ウズベク避難民、キルギス国境沿いに1万人」

 

 【モスクワ=五十嵐弘一】軍による反政府暴動鎮圧が多数の犠牲を生んだ中央アジア・ウズベキスタン東部の情勢を巡り、ロシア紙「独立新聞」は17日、新たな流血を恐れて国外脱出を図るウズベク人約1万人が東の隣国キルギスとの国境沿いに集結している、と報じた。

 これらの群衆が難民として流入した場合、経済・政治基盤の脆弱なキルギスの情勢を不安定化させる懸念も浮上している。

 独立新聞によると、暴動のあったアンジジャンからの「大量の避難民」が国境近くのパフタアバド地区に集結、一部はキルギス側ジャラルアバド州への国境線突破を試みている。他の国境沿いの地区でも脱出を図る人々が集まっている模様だ。同紙はまた、これより先に、約1000人がキルギス側への越境に成功、キルギス政府は国境沿いにテント村を設営して難民を収容していると伝えた。


◆コメント:ウズベキスタンはどこにあって、何が起きているのか。

 

 ウズベキスタン近隣諸国の地図がこれです。



 私は、これらの旧ソ連に属していた中央アジアの国々については、本当に何も知らないので、調べました。

 一番簡単な説明は、これです。

 
▼ウズベキスタン (東奥日報)

 中央アジアの内陸国。旧ソ連時代の1990年にカリモフ・ウズベク共産党第一書記が大統領に就任し、現在3期目。大統領の強権体質が指摘されている。99年にキルギスで日本人拉致事件を起こしたイスラム武装勢力、ウズベキスタン・イスラム運動が同年、大統領暗殺未遂事件を実行。カリモフ政権は、アフガニスタンの旧タリバン政権と関係が深かった同運動など過激派組織を徹底的に弾圧。アフガンでのテロ組織掃討作戦を続ける米軍のために国内基地を提供している。(共同)


 何となくわかりますね。さらに、BBCにはかなり詳しい解説が掲載されていました。

 
ウズベキスタン概要

 ウズベキスタンは、かつてのシルクロードの途中に有る国で、Bukhara(ブハラ)やサマルカンドは、東西文化の接点として非常に栄えた街である。

 サマルカンドは世界最古の都市の一つである。ブハラは荘重な建築物が数多くあることで知られる。

 ウズベキスタンは、中央アジアで最も人口密度が高い国であり、また、最も強力な軍隊を保有している。

 国内では、公然と体制に反抗することは、一切許されず、マスコミは、国家によって厳しく統制されている。

 ある国連の報告書によれば、ウズベキスタンでは、「反乱分子」に対する「組織的な拷問」が公然と行われている。

 政治的統制の厳しさは中央集権的な「計画経済」政策にも、見事に反映されている。

 経済改革は遅々として、実現しない。

 世銀が2003年に発表した報告書によれば、ウズベキスタンは、旧ソビエト連邦に属していた国々の中で、国民の生活水準が最も悪い国家である。

 また、ヨーロッパ復興開発銀行は、カリモフ政権があまりにも人権を無視しており、一向に改善の様子を見せないので、経済的援助を削減しているという。

 それに、加えて、ここ数年は、中央アジアで急速に活性化しているイスラム武装原理主義者の台頭によって、ウズベキスタンの治安は急激に悪化している。

 1999年に首都で起きた爆破事件では、十余名が死亡した。カリモフ政権は、これはイスラム過激派の仕業であり、大統領を暗殺し、国内を混乱させようとする試みだとして、非難の声明を発表した。

911テロのあと、ウズベキスタン政府はアメリカに軍の駐留拠点を提供したことによって、「ご寵愛」を得ている。国連の人権監視団体は、これによって、国際社会が、ウズベキスタンで恒常的に行われている、政府による国民の弾圧と拷問に対して、国際社会に情報がますます伝わりにくくなっている、と指摘している。


◆世界有数の驚異的に非近代的な(北朝鮮も勿論そうだが)国。

 

 今の大統領は旧ソ連時代からずーっと大統領を務めていて、つまり、全然民主化されていないのですね。

 それで、以前からくすぶっていた、独裁政権に反対する国民の一部が、反政府暴動を起こし、カリモフ大統領は、多分意識はソ連の頃から変わっていない、専制君主ですから、軍隊によって、これを鎮圧しようとして、市民に多くの死者が出た。

 これはまずいと、国連が気にしている。

 何故かって、国連は、現代において、このような非民主主義的な政権により、多くの国民が弾圧されて、殺されるのを知ったら、黙っているわけにはいかないですよ。

 ところが、ここでもまた、アメリカがじゃまをしている。


◆こんなところにまで、アメリカは影響力を広めて、事態を悪化させている。

 

 つまり、ウズベキスタンは、アフガニスタンに近いので、アフガンに潜んでいると言われるビンラディンの一味とか、ザルカウィの仲間を探して、捕まえる、或いは、攻撃して殺害する(いつまでたっても捕まえられませんけど)前線基地として、アメリカには大変都合が良い。

 そして、アメリカに対して、基地を提供するといってくれているのは、独裁者カリモフ大統領だから、彼が非民主的人権弾圧を行っても何も言わない、と言うわけです。


◆アメリカは「世界を民主化する」とかいっていましたよね?

 

 アメリカは、イラク戦争を仕掛けてから、大量破壊兵器が無い、と分かったら、急に、「イラクを民主化することが、アメリカの責任なのだ」と言って、話を誤魔化していましたが、民主主義を重んじるのであれば、国家権力が「組織的に国民を拷問にかける」ような、民主的、という体制と正反対にある国に、何も言わないでいいんですかね?

 それどころか、カリモフ政権が転覆しないように、肩入れしているじゃないですか。 

 こういうところ、本当にアメリカ人(だけではないけどさ)って、狡いし、非人道的ですね。

 本当は、ウズベキスタンの難民が流入している、隣の国、キルギスのことまで書かなければいけませんが、今日はひとまず、ここで擱筆(かくひつ)します。 


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