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JIROの独断的日記
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2004年12月28日(火) <インド洋津波>「日本の防波壁が首都を守った」モルディブ こういうのを「人道支援」というのでしょう。

◆記事:<インド洋津波>「日本の防波壁が首都を守った」モルディブ

 

【マレ(モルディブ)福本容子】「日本の支援がなかったら、マレはなくなっていただろう」――。モルディブの人口の約3分の1が住む首都マレでは、日本からの公的支援で建設された防波壁が、島を津波の大惨事から守ってくれたとの見方が広がっている。

海抜1メートル程度しかない約1200の島々から成る同国は地球温暖化の進行で国全体が沈みかねないとの不安を抱え、常に海面上昇への恐怖と隣り合わせで生きてきたが、88年以降、進めてきた首都の護岸工事が壊滅的な被害を回避するのに貢献したと、島民は口々に語った。

災害対策本部の置かれたマレ市のイスカンダール小学校校庭でボランティア活動を指揮する元オリンピックマラソン選手のフセイン・ハリームさん(35)。彼になぜマレは3分の2が冠水しながらも死者が出なかったのだろうと尋ねた。するとすぐに答えが返ってきた。

「10年以上かけて作った防波壁が大いに助けになった。日本の援助のおかげだと聞いている」

 その防波壁を見たくて市南部の海岸まで案内してもらったタクシー運転手のアハメド・シャフィールさん(30)も

「日本が作ってくれたあの壁がなかったら今ごろマレはもうない」と語り、「助けてくれた日本人からこんな時に金を受け取るわけにはいかない」と決して料金を言ってくれなかった。

大統領府によると、日本はモルディブ最大の援助供与国で13年をかけた防波壁工事の費用6600万ドルの主要部分を日本の援助が支えたという。南部の海岸通りには、「日本とモルディブの友好のため日本政府が提供した支援で作られた」と消波ブロックに記した記念碑が海に向かって建っていた。(毎日新聞) - 12月28日15時32分更新


◆コメント:これこそ、本来の「人道援助」だろう。

 

 この記事を読んで、自分が護岸工事をしたわけでもないのに、嬉しくなった。

 人のために尽くす、とはこういうことだ。

モルディブ共和国は小さな島が集まって出来た、失礼ながら、本当に小さな国で、世界地図をみても、殆ど「点」が散らばっているようにしか見えない。

 全部合わせても面積は佐渡島の約3分の1だというから、東京23区よりも遙かに狭い。

 その中のマリ島のマリという街が首都である。人口は27万人(2000年)、民族はモルディブ人、言語はディベヒ語という、小さいが固有の民族なのだ。

 27万人とは、東京だと、八王子市の半分ぐらいである。

記事にあるとおり、我が国は80年代から、マリ島の護岸工事を無償で行っていた。

 どういう経緯で、日本がモルディブにODAを供与することになったのか、調べないと分からないが、私は、この件に関しては、日本政府を評価したい。

 何故かというと、モルディブを援助するにあたり、反対給付を一切期待していないことである。

私は、もしかすると、モルディブ諸島近海に海底油田か、天然ガスでも見つけたのかな、と勘ぐったのであるが、モルディブは天然資源に乏しく、土地も肥えていないので、作物もあまり収穫は期待できない。わずかな漁業と、観光で成り立っている国である。

 つまり、この小国に援助をしたからと言って、「何か実利的にいいことがある」わけではない。

にも関わらず、護岸工事の計画をはじめたのが80年代で、かなり日本人らしく念入りに調査して、工事を行った模様である。

無論、請け負ったのは、民間の土建屋だろう。イラクへの「人道復興支援」と異なり、武器なぞ、全く必要としない。

 何よりも、モルディブの人々が本当に喜んでくれているではないか。


◆【イラク】サマワでは茶化されているよ。

 

 感謝されようがされまいが、米軍支援が本当の目的である以上、自衛隊のイラク派遣は違憲である、という私の立場は変わらない。

ましてや、その上に、こういう記事を読んだら、余計に嫌な気分になる。



◆日本は「うそつき」サマワで陸自風刺の漫画

 【サマワ26日共同】イラク南部サマワの失業者団体の事務所で最近、陸上自衛隊の活動を風刺した漫画が展示された。日本を「うそつき」とやゆするものもあり、当初の日本側の説明から住民が期待した通りに進んでいない陸自の支援活動へのもどかしい思いや、不満が伝わってくる。

 失業問題に関する討論会に合わせて24日、失業者団体に属する地元画家が描いた風刺漫画が展示されたもので、地元行政当局の腐敗などのテーマに加えて、陸自を扱ったものが数点あった。

1枚は陸自の支援が困窮する市民に届いていないことを風刺。ベール姿の女性が宿営地前で「病気なので日本に連れて行って」と、携帯電話を持った陸自のイラク人通訳に頼むと、別の男性が「連れて行ってもらえるのはお役人だけさ」と皮肉る姿を描いた。(了)(共同通信) - 12月26日17時0分更新



◆【モルディブ】「日本が作ってくれたあの壁がなかったら今ごろマレはもうない」と感謝されて、嬉しくない人がいるだろうか?

 

 モルディブと米国の国力云々の問題ではない。

 「日本が作ってくれたあの壁がなかったら今ごろマレはもうない」と聞いて嬉しくない日本人がいるだろうか?

私は、元来人間が単純に出来ている。冒頭の記事を読んで、恥ずかしながら、少し目頭が熱くなった。

「助けてくれた日本人からこんな時に金を受け取るわけにはいかない」と決して料金を言ってくれなかった。(記事より)

 これぞ、日本人の勲章ではないか。

自国の打算で大金を投じて、憲法に違反して自衛隊をイラクに派遣して、一生懸命にブッシュ大統領閣下に喜んで頂こうとしても、アメリカやイギリスはそれぐらい当たり前だと思っている。イラク人から感謝されてもいない。そんなことをして、税金を無駄に使って、自衛官の生命を危険に晒して、一体何をしているのだ。

そうじゃなくて、このモルディブの例のようなことをしなくてはいけない。

 何の得にもならない、しかし、困っている国や人々を助ける。感謝はされても何も求めない。こちとら、江戸っ子である。こうじゃなきゃいけねえや。

 もう少し、きちんと述べるならば、憲法前文が述べているのは正にそういうことだろう。



【日本国憲法前文より抜粋】

日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。


以上。何も、言葉を付け足す必要はないだろう。


2003年12月28日(日) 「イラン地震で自衛隊派遣、首相が検討を指示」←これは、良い事だ。
2002年12月28日(土) 天皇陛下、前立腺癌との診断。御快癒をお祈り申し上げます。 <バリ島爆弾テロ>容疑者が日本向けテロを予告 HPで

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