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JIROの独断的日記
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2004年09月12日(日) 演奏家から学んだ「基礎」の大切さ。

◆もの凄く早く弾ける人でも、驚くほど遅いテンポから練習する。

 

プロのヴァイオリニストやピアニストの練習を見せて頂いたことが何度もある。

彼らは幼少から厳しい訓練を積んで、高度なテクニックを身につけており、コンサートの本番では、非常に速いテンポの難曲をいともたやすく弾いている人たちであった。

 しかし、である。彼らが新しい曲に取り組むとき、まず、楽譜を丹念に読む。
 専門家になるような人は、楽器を習うときに必ず、平行して「ソルフェージュ」という訓練をおこなう。

要するに、楽器を弾く場合には、それが何の楽器であるにせよ、まず、読譜力(楽譜を見て、頭の中でその音楽をならすことができ、声に出して正確に歌える能力)が無ければ、話にならない。

 だから、音楽家はまず、楽譜を読み、これから演奏しようとする音楽がどういう音楽なのかをシミュレートするのである。その後に、それぞれの楽器でそれを音に出す練習を始める。


 

このときに、テンポが速い、または比較的普通の曲でも、彼らはまず、非常にゆっくりとしたテンポで練習を始めるのである。これは、音楽を正確に演奏するためにはどうしても欠かせないプロセスである。

 音楽の最も大切な要素である「生命感」はリズムとテンポ感から生まれるものである。

音楽は時間の上に成り立つ芸術であり、まず、正しいテンポとリズム、そして弦楽器や管楽器ならば、正しい音程で演奏できなければ、音楽の基本を充足しているとは言えないのである。


◆初めから早く弾いてはならない。

 

作曲家が楽譜上に指定するテンポで、正しい、リズムを実現するためには、まず、テンポを落として、何度も、何度も弾いて、正しいリズムと音程を実現することが絶対に必要である。そして、そのテンポで正確に弾けるようになったら、少しだけ、テンポを上げて同じように何十回、時には何百回と繰り返し練習するのである。

 これは、とてつもなく時間がかかる作業である。その曲本来のテンポで弾いた方が楽しいのは当たり前だが、いきなり本来のテンポで弾くと、必ず不正確な箇所がでる。それを放置して平気な人は、演奏家にはなれない。

 ひたすら基礎に忠実に、ゆっくりとしたテンポから繰り返し練習するのは、忍耐が必要である。つい、もっと、早く弾いてみたくなる。

そこで我慢するのだ。

 そのときに我慢して、ゆっくりとしたテンポの練習を繰り返す事ができる者だけが、上手くなる。

 私に練習を見せて下さった、プロのヴァイオリニストは、そう言った。

 単調なことをいかに辛抱して繰り返し練習できるか否か、が、楽器の演奏に限らず、あらゆる事において、高い能力を身につけられるかどうかの分かれ目なのだろう。


2003年09月12日(金) 石原慎太郎さんにもどこかで、挫折を知ってもらいたいね。
2002年09月12日(木) 快挙!

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