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JIROの独断的日記
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2003年12月21日(日) 「『サマワは比較的安全』 会見で神崎氏」←2時間の滞在で何が分かるのだ?

◆記事:「サマワは比較的安全」 会見で神崎氏


陸上自衛隊が活動を予定しているイラク南東部サマワを視察した公明党の神崎武法代表は20日夕(日本時間21日未明)、クウェート市内のホテルで記者会見。神崎氏はサマワ市内を案内したオランダ軍司令官から「ヘルメットもかぶる必要はない」「街に散髪に出掛ける際にも単身で防弾チョッキも着けない」と説明されたことを紹介。「当初は危険と思っていたが、決してそういうことはなかった」と述べた。会見内容は公明党本部が発表した。現地のニーズについては「犯罪防止、交通渋滞の解消、電気、水、医療、セメント工場の設置と雇用促進、道路や橋の建設などインフラ整備などがある」として幅広い分野での協力が可能との認識を示した。(共同通信)[12月21日12時35分更新]


◆コメント:自衛隊の1年間の派遣に関わる現地視察が2時間(テレビ報道による)なのか。


日本人は、体裁を重んじる。要するに形式主義である。実質はさほど問題にしない。これは、日本人の悪い癖のひとつだと思う。今回の神崎氏によるサマワ視察は、その典型的な例である。


上に引用した記事で明らかなことは、神崎代表は、今回の滞在中、たまたま、危険な目に遭わなかった、ということだけである。オランダ軍の司令官が「防弾チョッキも着けない」といったとしても、そのオランダ人が単にのんきで、今まで生きているのは運が良かったに過ぎない、とも考えられ、サマワの一般的状況を「安全」と判断する根拠としては不十分である。


要するに、「サマワを見てきました」という「形」だけで十分としてしまっている。初めて訪れる異国(しかも戦争中)の、知らない街の実情を理解する事は、如何なる人間でも2時間では不可能である。実質的には何も見ていないに等しい。


自衛隊は現地に(3ヶ月交替ではあるが)1年間、駐留するのである。そのための安全確認が、公明党代表の2時間の視察で済んだ、と言って良いのか?こんな事で公明党は今まで難色を示していた、陸上自衛隊派遣に関して賛成に転じるらしい。何百人という自衛官の運命が、一人の政治家のおっかなびっくり「サマワ日帰りツアー」で左右されて良いわけがない。


小泉首相は自衛隊法によって、自衛隊の最高指揮権を有する。要するに最高司令官である。イラク復興支援特別措置法では、


第九条 内閣総理大臣及び防衛庁長官は、対応措置の実施に当たっては、その円滑かつ効果的な推進に努めるとともに、イラク復興支援職員及び自衛隊の部隊等の安全の確保に配慮しなければならない。


との規定がある。小泉内閣総理大臣自身が1ヶ月ばかりサマワに滞在してみて安全を確認されては如何だろうか。万が一、小泉首相が銃弾に斃れたとしても、小渕首相が急死したときのことを思い出せば分かるとおり、日本では総理大臣が死んでも、国家が麻痺する心配は全くないのだから、後の事は心配要りませんよ。


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