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JIROの独断的日記
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2003年07月28日(月) 「日銀発表に1年以上も誤り…CP発行残高を拡大公表」 日銀に「業務改善命令」を出した方がいいね。

◆記事:
日本銀行は25日、毎月上旬に公表している統計「貸出・資金吸収動向」の中で、銀行や証券会社が引き受けているコマーシャルペーパー(CP)の残高が1年以上も誤っていたと発表した。

 今月8日に発表された6月末の残高は24兆円だったが、「実際は9兆円程度少なかったと見られる」(金融市場課)としており、CP市場を実際の1・6倍に拡大して公表していたことになる。

 担当者は約1年前に気付きながら是正措置を取らず、事態を重視した日銀は、内部管理部門である経営企画室が事実関係の調査を始めた。

◆私の見解:市中銀行がこんな虚偽報告してたら、大変な騒ぎになるというのに

 日本銀行は言うまでもなく、日本の中央銀行であって、日本の金融システムの中核に位置する存在である。およそ銀行というものは信用だけで成り立っている商売である。一国家の中央銀行には、民間銀行よりもさらに一段と高い信用が求められる事はいうまでもない。

 今回の件に関していえば、実は、CP残高などという統計は少々数字に誤差があったって、たいした問題ではない。問題は、数字が間違っていると分かっているのに、1年間も隠していた、という事実である。

 日本銀行は、民間銀行に毎月さまざまな報告を作成させて提出させている。もしも、その数字が1年間に亘って虚偽であることを承知で提出されている事を日銀が知ったら、大変な事になる。即座に業務停止命令か、改善命令を求めるであろう。それなのに、自分がやっていたとは、けしからん。

実は、日銀は今月中旬にもうひとつ、問題を起こしている。

◆記事:

国内金融市場の中核的な資金決済システムである「日銀ネット」で14日、一部の金融機関との間で情報の送受信ができなくなる障害が発生した。日銀ネット側の情報受信機能にプログラム上の不具合があったためで、金融機関の資金決済に最大1時間半の遅れが生じた。日銀がシステム障害を公表したのは今回が初めて。

 日銀によると、障害が発生したのは同日午前。日銀ネットに接続する銀行や証券会社など7金融機関との間で、決済情報の電文の送受信が散発的にできなくなった。

 これらの金融機関はホストコンピューターと日銀ネットを直接接続する形式をとっているが、決済情報を磁気テープで日銀に提出したり、別系統の日銀ネット専用端末で送受信し直すなど対応に追われた。

◆再び、私の見解

 かなり専門的な領域なので、あまり大ニュースにならなかったが、要するに、日銀ネットという、日本中の金融機関同士の決済を司るシステムがダウンしたのである。決済システムが障害を起こすとどういうことになるかは、昨年のみずほ銀行の騒ぎを思い出せば分かるだろう。振り込まれるべきお金が振り込まれない。ヘタをすれば、資金繰りがつかなくなって、市中銀行がつぶれてしまうのである。冗談ではない。

 14日のシステム障害では最大1時間半の遅れということなので、幸い大事にはいたらなかったが、かなり危ない話なのである。

 要するに、日本銀行は、今月だけで、かなり重大な問題を2つ起こしている。繰り返すが、もし、これが民間銀行であれば、当然、事態報告を出させられて、今後の対応策を提出させられて、と大騒ぎになるところである。

 あいにく、日本銀行は中央銀行であるから、それをさらに監督して、業務改善命令を出す機関が存在しない。

 しかし、本当はそれではいけないのであって、事態の全容を内閣総理大臣に報告して、総理大臣は専門家からなる諮問機関かなにかに、日銀を検査させて、総理大臣から、日銀総裁宛に改善命令を発するべきだと思う。

 それから、マスコミ。日経をはじめとする全国紙は、日銀トラブルなんて大問題なんだから、もっと大きく取り上げて、一般国民にも分かり易く解説すべきだ。


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