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JIROの独断的日記
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2003年07月01日(火) ヴァイオリンを奏する者に三段階あり /<統合失調症>関与のたんぱく質と遺伝子特定

希死念慮を吹き飛ばす小話でも。私が大好きな話だ。

かつて、ジョージ三世にヴァイオリンを教えていた、ソロモンという名人がいた。

ある時、ジョージ三世が師匠であるソロモンに問うた。
「予の(私の)進歩の状態は如何なものであろうか?」

ソロモンは答えた。
「およそ、ヴァイオリンを奏する者には三段階がございます。全くヴァイオリンを弾くことの出来ぬ者、非常に拙く(つたなく)ヴァイオリンを奏する者、非常に巧みにヴァイオリンを奏する者、の3種類でございます。恐れ多くも殿下におかせられましては、既に第二の段階にお進みになられました」

ククク・・・。このときのジョージ三世の表情を見てみたいですな。

私はトランペット吹きだが、大人になってからある日突然ヴァイオリンを弾いてみたくなって、近所の鈴木メソッドの教室を訪れた。そこの先生に見繕ってもらって楽器も買った。

プロの、特にソリストが使う、ガルネリとか、ストラド、ガダニーニ、アマティなどの天下の名器は数千万円から、数億円もするが、素人がはじめに使う楽器なら、十万円台でも十分に良い音をするものがみつかる。

バイオリンはとにかく、難しい。何しろ、左手で弦をおさえるときに、1ミリでも位置がずれたら、或いは、少し手首の角度が違ったら、間違った音程が鳴ってしまう。

ヴァイオリンを始めるには、どうしてもある程度の耳を持っていなければならない。とにかく難しい楽器だが、難しいものほど、練習して上手くなった時は、嬉しい。

鈴木メソッドでは第4巻で有名なヴィヴァルディのイ短調のコンチェルトを弾くことができるし、バッハのドッペルコンチェルト(二つのヴァイオリンの為の協奏曲)も出てくる。辛抱強く練習すれば、大人になってから習い始めても、これぐらいはさほど聞き苦しくなく、弾くことができるようになる。

冒頭の小話でいえば、私も既に第2の段階には進んでいるように思われる。

うつ病になってから、とんと、音楽から離れてしまったが、また、練習を始めようかと思っている。

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◆記事 <統合失調症>関与のたんぱく質と遺伝子特定 米研究グループ

 米・マサチューセッツ工科大の宮川剛主任研究員(現京都大助教授)と利根川進教授らの研究グループが、統合失調症の発症に強く関係するとみられるたんぱく質の一つと、その遺伝子を特定した。発症の仕組みの解明や治療につながる研究成果で、近く「全米科学アカデミー紀要」に発表される。

 統合失調症は幻覚、妄想、記憶力低下などの症状がある病気。特定されたのは「カルシニューリン」(カルシウム依存性脱リン酸化酵素)というたんぱく質。脳をはじめ全身の細胞に存在し、神経の情報伝達や免疫機能を制御するなどの働きがあることから、宮川研究員らは、遺伝子組み換えで脳の一部でカルシニューリンを作れないようにしたマウスを使い、通常のマウスとの違いを観察。その結果、同じことを何度も繰り返すなど固執性がある▽よく歩くなど活動量が高まる――など統合失調症患者の症状と酷似することが判明した。患者と両親410組の血液サンプルのDNAを解析し、患者にはカルシニューリン生成に関係する遺伝子に、特定の配列パターンが高い割合で現れることも分かった。

◆所感:ノーベル賞ものではないか?
 統合失調症は、人間が罹る病気でもっとも悲惨なものと言われるぐらいの病気だが、発症率は0.8%とかなり高い。単純に考えれば100人に1人弱である。

 今も、薬でかなり症状を抑えられるけれども、副作用が強いし、完治し難い。もしも、この発見が治療につながったら、ノーベル賞に値するのではないか。となると、利根川 進さんは2度目の受賞になる。まだ、ちょっとそこまで言うのは早いかもしれないが、すごいね。


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