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JIROの独断的日記
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2003年04月15日(火) 犯罪の被害者を非難する人間の心理

 通り魔などの犯罪が生じたときには、犯人の家に非難の電話やら、FAXが殺到する。これは、まあ、そうだろうと思う。ところが驚いた事に、犯罪の「被害者」にも「普段の行いがよくなかったのだろう!」などという非難の電話がかかってきたりする事があるのだという。

 そういうことをするのは、余程性格が悪い人間だろうと思ったのだが、そうでもないらしい。ごく普通の人が多いのだそうだ。何故、ただでさえ犯罪の被害に遭って傷つき、困っている人に鞭打つような行為に走るのか?

 人間には、「世の中は公平であるはずだ」という信念、そして「自分だけは不幸な目に遭いたくない」という感情がある。世の中が公平であるということは、つまり不幸な目に遭う人はそれなりの原因があるからだ、という論理になるわけだ。事実はそうではないのだが、人間はそう考えたがる。

 何の原因も無いのに不幸が訪れるとすれば、自分もいつ犯罪の被害者になるかわからない(客観的に考えれば、そのとおりである)。「それだけはごめんだ。自分は何も悪い事をしていないから、不幸が訪れるわけが無い。」

 その「信念」を補強する目的で、不幸な目に遭った人を非難するのである。「何かあなたにも落ち度があったからそういう目に遭うのだ。」それによって、自分は安全である、と思い込みたいのである。

 人間とは随分、欠陥の多い、恐ろしい生き物である。しかし、自分の心にもそういう闇の部分があるのだ、ということを自覚しておけば、困っている人、不幸な人を傷つけるような事をせずに済むだろう。


2002年04月15日(月) 登録しちゃった

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