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JIROの独断的日記
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2002年08月28日(水) 精神疾患への理解

 今日はたまたま、精神医療に関係するニュースや話題が目に付いた。
 1番目はNHKニュースで、うつ病などの「心の病」のために一ヶ月以上休職している社員がいる企業が全体の6割以上にもなるということ。これは民間の調査機関によるデータだそうだが、事実を隠している企業が必ずあるであろうから、実際の割合はもっと高いはずである。うつ病にかかるということは何も特別な事ではないという事に、着目してもらいたい。そのような状況を生む社会構造に対する再考が必要であることはいうまでもない。
 2番目。精神・神経医学学会で、従来「精神分裂病」と呼ばれていた精神疾患を「統合失調症」と呼称変更する事が正式に決定された、とのこと。従来の病名は、いかにも、人格の荒廃、異常者、不治の病、という偏見を抱かせるものだった。「ビューティフルマインド」という映画が評判になったのは比較的最近の出来事だったと思うが、あれは、実在の人物をモデルにした作品である。主人公は統合失調症により、数度にわたる入院生活を余儀なくされながらも、経済学の研究に取り組み、ついに、ノーベル経済学賞を手にした。病気を持っているからといって、ノーベル賞の授与をためらわなかった選考委員会も立派だと思う。しかし、本当は当然の事である。統合失調症の発症率は約0.8%。つまり100人に1人弱の割合で患者さんが存在する。社員5000人の会社なら、50人の患者がいてもおかしくない。決して珍しい病気ではないのである。しかも、治療法は進歩しており、決して不治の病ではなくなっている。映画を見て感動しているだけではなく、このたびの呼称変更を機に、広く世間がこの疾患に対する知識を得ることを望む。
 3番目。ニュースではないが、NHKが今晩11時から放送する「私はあきらめない」という番組で、女優の田中美里氏が、一時期、パニック障害に悩まされていた体験を話す。とのことである。このように、精神医療の恩恵を受け、病気を克服した人物が、その体験を率直に話すという事はとてもよいことである。精神科の世話になる可能性はどんな人間にもある。けっして世間に恥じるようなことではない、という認識が世の中に形成される事が大切だ。


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