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■ 「ガラスの動物園」戯言
演出の戯言 今年は人数的にも密度の濃い一年、いつもこの養成所で作品を創る時、夏の中間発表は日本の現代劇、で、モノづくりの考え方や、役作り、相手役との交流、本の読み方、などなど共通体験をもって修了公演の高いハードルを超えることを目標としてきた。今年は夏の発表を担当しないままの修了公演、色々悩んだけれど、一番高そうなハードル(作品選定)にいきついた。 「ガラスの動物園」は有名なんですねぇ…なんでだろ? でも海外戯曲でしょう! 外人でしょう!と上辺を飾り、饒舌に抑揚たっぷりに喋る姿は段々と消え、テネシー・ウィリアムズがこれでもかと書き込んだト書きや人物背景の意味を捉え、人がなぜそうするのかそうしてしまうのか、そしてあらためて家族って、母って父って兄弟って……と文化国籍を超えた普遍的なところまでたどり着いている。あとは客席とどう出会えって作品として昇華できるか。 稽古場は創意工夫に溢れているべきで、それは演出的な創意はもちろんだけれど、俳優が人間をいかに豊かに深く理解し、いい意味で疑い、それでもわからない部分を楽しみながら他者との交わりの中でその面々でしか創れない世界があるのだと信じてトライとエラーを繰り返す、思い切って失敗をして良い場所だ。その失敗から多くを得、進むべき道を座組みなで見つけていく。誰かが提示してくれる正解は一つみたいなまやかしで安心せず、自分の表現と日々向き合う。わからないへの挑戦である。 この苦しんで楽しんで自分を突きつけられた時間はきっと嘘はつかない。 本日はご来場くださいましてありがとうございます。 このキャリアだからこそ魅せられる追憶の劇、最後までごゆっくり、そして温かく(笑)、ご覧ください。 藤井ごう
2024年02月19日(月)
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