再生するタワゴトver.5
りばいぶ



 「坂の上の家」戯言。

演出の戯言

どこにでもありそうな家族の話だ。
あたり前にあるような家族の話だ。
あたり前にあると思っている事は、
ある時、なんの予告もなく奪い去られる。
なくなって初めて、
あたり前ってあたり前でなかったんだと、気づかされる。
大切なものに気づかされる。
どこにでもありそうで、でも何かを失って、
だからこそお互いを大切に思っている家族の話だ。

あたり前を舐めてはいけない、
そのあたり前の人々の一見なんでもない日常が、世界を現したりするのだから。
頑張って、ダメで、悩んで、格好良くないし、未来に希望と一緒に不安を抱いたり、ヒーローにはなれない、でも誰かを想う。どこか、誰か見知ったよな愛すべき登場人物たち…。
役を見つめ、自分を見つめる。
表現者は自分でない人間に、そして、自分とゆう人間に、もっともっと興味を持ち、識ること想像することが必要だ。
小さい世界から、大局を見つめることだってできるのだから。

芸術は死者の声に耳を傾けることである。と言った人がいる。
このコロナ最盛期の8月9日に、この作品で皆様と手を繋げることに深く感謝します。
どうぞ最後までごゆっくりご覧ください。

追記:食事のシーンが多くありますが、このご時世、泣く泣く匂い香るような「皿うどん」や「ちゃんぽん」をお見せしない選択をしなくてはいけなくなりました。皆さんの「想像力」が頼りです。観終わって、誰かと何かを一緒に食べたくなったら……いいな。

藤井 ごう


2022年08月09日(火)
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