再生するタワゴトver.5
りばいぶ



 「オールライト」最後の稽古。

最終旅を前にした稽古はもちろん終わっているのだが、
残り3ステージを、前にして10日ばかりの空日が生じたので、二日間の稽古。
2015年に幕開け前、まだ台本もできていない段階のワークショップから始まって、5月に初演。
2016年6月から、7シーズン目、
どれだけの事が出来ただろうか。
最後だから何か特別な事を、するわけでもないのだが、だからこそ、
目の前で起きる現象に己を如何に投下できるか。
どれだけの導きができただろうか。
終わりとゆう終わり感のしないままの流れの中で、演劇を創り続けること自体は変わらないのだが、
費やした時間と関わりが多くなる分、
自分の集団を、動かしていない今や、長い旅作品はホームベース(考え方も含めた集大成)な部分があって、
未だ道途中、
その中で演者さんの変化をいかにキャッチして、次のステップにつなげられるか、なんて事をずっと思っていた。
決まりごとを決まりごとのように、やる。
ことが、
そうじゃないと言われながら、結局そこに停滞する演劇を、もっと自由に、豊にし、現在進行形で客席と相対するのか。
自分の作業に没するのではなく、
相手役との呼応によって変化する舞台。
セリフをこのよに喋る、のではなく、
その、人物の芯が何を感じているのか、体験を重ね、上面をなめるのではなく、想像を広げる本の読み方と、そこでの生き方。感情でなく、目的に沿ったセリフの発語。
熟成していけば、やりとりはもっと豊に広がっていくこと。
そうでありながら、特異なことをするのではなく、いつも通りの準備を。

こちらのリードが強くなる現場では、
結果この「オールライト」で求めてきている表現がベースになる。
今上演台本を絶賛描き直し中の10月のおきなわ「美ら島」も。
7月21日りっかりっかフェスタのオープニングになる「島口説」new version も。
8月頭に中間発表するダス「さくらみたいな恋のこと」でも。
そして8月上旬、日英共同企画の青少年たちにも。
その作品世界は似て非なるもの、
方や、昭和の香りのする建物の一室で起こるロードムービー、
方や、一人芝居を二人芝居にリライトして二人で一人を演じ歌い踊る、初稿と旅稿の全くの違いを描き直した(絶賛描き直し中)厳密二人芝居、バンド有。ラジオ番組を大枠にショートストーリーが展開するオムニバス。9人の女たちで紡がれる日常芝居。でも、ベースは同じ。

…思えば遠くに来たものだ、
なかなかにこれは難しい、でも、
簡単だったら、この世界、追求する意味もない。
何人かは、この場でもちゃんと変化しようと貪欲である。(逆に最後だからか?!)
安定はもちろん大事だけど、その平均は当たり前にあって、さらにその上の表現を。
とにかく、センチメンタルになる暇もなく、最後の稽古は終わる。
現にしっかり22時を超える稽古の後、「もう一人の人ヒト」打合せ→からの「島口説」「美ら島」打合せ。。

そして、残り3回の高校生とのよき演劇との出逢いを創って欲しい。テーマなど、その後からちゃんとついてくる。

千穐楽に客席で観られることを楽しみに。


2019年07月04日(木)
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