再生するタワゴトver.5
りばいぶ



 「島口説」琉球新報。

泉&やよい「二人」で復活 北島角子の代表作 一人芝居「島口説」

名女優・北島角子が演じていた一人芝居「島口説(しまくどぅち)」が30年余を経て、お笑いコンビ「泉&やよい」による“二人芝居”で復活する。作者の謝名元慶福は「とてもありがたい。一人芝居を2人で演じる面白さ、北島さんの明るさとは異なる2人の楽しさを引き出しながら、新しい『島口説』の世界ができつつある」と期待を寄せている。

 本作は北島に当て書き(俳優を決めて脚本を書き下ろす)され、1979年に初演された。謝名元の実体験やフィクションを交えて「二晩で書けた」という。民謡酒場で働く女性が半生を語り、沖縄戦や戦後を生き抜いたウチナーンチュの姿が涙と笑いを織り交ぜて描かれる。謝名元は「北島さんと格闘しながら作った。北島さんの演技には熱気、強さ、優しさがあり大きな反響を呼んだ」と振り返る。81年には文化庁芸術祭優秀賞を受賞した。全国で300回公演を重ねたが、1986年を最後に上演が途絶えていた。

 泉&やよいの起用を提案したのは、初演に引き続き今回もプロデューサーを務める下山久。脚本を読み返して「沖縄の現実は変わっていない。もう1回やらなければ」と感じた。「『島口説』は観客と一緒に作る作品だ。観客をつかんで沖縄の体験を語れるのは泉&やよいだと思った」

 演出を務めるのは、基地問題を描いた「普天間」(坂手洋二作)も演出した藤井ごう。「(戦争で何人が死んだという)数字ではなく、一人の人生を身近に感じてもらえたらいい」と話す。

 泉&やよいの喜舎場泉は「プレッシャーを感じるが、私たちの笑いを入れて“泉&やよいの『島口説』”にしたい。子どもたちにも見てほしい」と意気込む。城間やよいは「沖縄に生まれ育ち、どこにいても土の下には戦争で亡くなった方の遺骨が埋まっていると感じている。劇を通して平和への思いが伝えられるのはありがたい」と話す。

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 「島口説」は浦添市の国立劇場おきなわで29日午後7時、30日午後2時、7月1日午後2時から上演される。入場料は一般3千円、18歳以下2千円。問い合わせはエーシーオー沖縄(電話)098(943)1357。

2018年06月24日(日)
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