再生するタワゴトver.5
りばいぶ



 中間発表「待つ」戯言。

演出の戯言


鈴江俊郎作「待つ」。
この台本が書かれたのは、22年前。
世間は色んなことにまだ大らかだったのかもしれない。(とはいえ、1995年は色んなことの起きる年ではあるのだけれど)現代的に言うと、大きく「問題ある」(笑―最初の稽古場の空気的にゆうと)人々の織りなす群像劇。

誰かと繋がっていたかったり、
誰かが解ってくれないと怒ったり、
誰かが連れ出してくれないか願ったり、
こんな筈ではなかったと悔やんだり、
些細な出来事を喜んだり、
現状を憂いたり、
他人を羨んだり、

きっとこの作品の登場人物たちは、世界を救うような英雄にはなれないし、
歴史の教科書や、新聞に載るような大それた事件や徳のある行為もできやしない。
でもそれでも、人生の意味なんて事にふと足を止めて、ジクジクと考えてしまうこともある。
どこか、誰かに、自分に似たような、どうにも仕様のない普通の人々。
自分を振り返ればわかる、人は一面だけでは判断できないのだ。
俳優は心の在り方の専門家でなければー

小さい世界から、大局を見つめたっていいのだ。(大きな世界は後期にね)
役を見つめ、自分を見つめる
彼らは何を「待つ」?

本日はお暑い中、ご来場ありがとうございます。
狭いところで恐縮ですが、最後までごゆくっくりご覧ください。


藤井ごう

2017年07月28日(金)
初日 最新 目次 HOME