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■ 「太平洋食堂」パンフ掲載文。。。
演出の戯言
あなたは今の世界をどう見ていますかー 初演(二年前)の稽古を前に、和歌山県新宮市にある墓の前で問いかけた。
過去の革命は少数偉人の手により為されたりといえども将来の革命は多数凡人の自覚によって行わるべしー 自分は決してストライキそのものを善い事だとは云えぬ。併し悪いものを悪いと主張する元気や、嫌なことを嫌だと言いぬく自由の精神は最も尊重すべきものではないか、こういう元気と精神を青年の頭から取り去ることは即ち、青年を屠ることと同じであるー 今から百年以上前、こんなことを書き記した人物がいる。
大石ドクトルこと、大石誠之助である。劇中、大星誠之助、大星ドクトル。 大逆罪という汚名をきせられた人物の一人。 その発想の豊かさ、自由さ、奔放さ。そして人間らしい身勝手さ。この人物に惚れこんだ嶽本さんの筆圧は強く、物語は紡がれていく。
明治後期という時代のうねりに右往左往しながら、煌く生きていた人物たちの『現在』が舞台上にあるよう、俳優さん、スタッフさんたちと喧々諤々、チェーホフのようでブレヒトのようで大衆演劇的(?)でもあるこの嶽本戯曲フルコースを正に一つのテーブルに寄り集まって、最善を探る日々である。
今の日本の問題はこの時代に目をつぶったことの多くから未だあるのではないか、なんてこの場に書いてたったの二年、あまりに色んな問題に眼をつぶりたくもなるけれど、
いつか「あの時」に変換されてしまいそうな時代を、自覚ないまま生きる僕らに、 この物語は人物たちは『今』を鋭く突きつけてくる。
二年経って同じ墓の前に立つ機会をもらった。 上質なフィクションは時代を見通し、真実 を捉える。そんな師の言葉を頼りに、面白いモノを追及しているー
本日はご来場いただきありがとうございます。 最後までごゆっくりご覧ください。
藤井ごう
2015年07月06日(月)
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