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■ さくらさくら
いや、もうすっかり十日、いつの間にか桜も満開である。 水曜日からの芝居も満開といきたいものである、特に、早く散らないようにしたいものである。(笑)
わたしが花粉症であって、春を恨んでいるということはさておいておいて。 これほど、桜が四月、入学式あたりまで残っていて、尚且つ、桜の咲いた週末の天気が良いというのは、どれくらいぶりなんだろう。 だから花見も、三月下旬なんかにやるのとは違って、暖かいし、もってこいである。 花粉症も、大勢の殆どを占めるスギが弱まってくるので、花粉症の人間にとっても花見をしやすい。わたしがどうやら、その後どんどんひどくなっていくのは、もしやヒノキのアレルギーもあり、そっちの方がひどいようであり、春をうらんでいるということはさておいておいて。
雨が降っていないから、無理やり散らずに狂い咲き。 余りの桜に、人が狂い咲いてしまいそうである。
そして昨日− 稽古帰りの山手線。高田馬場から新宿までというわずか二駅の出来事。 大きな声で話す大柄な男(スーツ1・スーツ2)二人。 彼らは、まあ、それは楽しそうだった。 優先席付近に立って、つり革に摑まっていた。 ま、彼らは今日した花見について喋りあっているのだ。 と、携帯電話が鳴る。ここは優先席の目の前なのにである。 ま、それくらいの事はいいのだが… と、スーツ1が出る。電車の中なのに。 と、その後ろにいた大きなカバンをもった男(カバン男)、イラッとしたのか、スーツ1を見る。気がつかないスーツ1、まだ喋る。 その、カバン男がわざわざ身体をスーツたちの方に向けるので、優先席に座っていたサングラスをかけた女(サングラス女)と目が合う。女も、スーツ1を見ている。 その頃、スーツ2は両手でつり革に摑まり、頭を両手に持たせかけている。 スーツ1まだ喋る。カバン、サングラス、更にイラつく、スーツ2は両手に… スーツ1「…あああ、おつかれさまです。ええ、いや、もう電車なんですけれど。…ええ。は?…ええ。は?…ええ、いや、A(スーツ2)を送ってるとこなんですが。いやいや、大丈夫です慣れてますから。…で、ええ、はあ。課長の靴…、靴、ですか…、ちょっと待ってください!」 と、スーツ1電話口に言い放ち、スーツ2のズボンをまくって靴を見た。 カバン、サングラス、まだ話すのかと思いつつ− なんとスーツ2は上はスーツだが、下は汚れたジャージを穿いているのだった。(スーツ2改名→下だけジャージ)※ ※もうわかりますね。ゲロッて、スーツの下をダメにしたものと思われる。 そして更にスーツ(スーツ1改名→スーツ)は下だけジャージの靴を調べる。 カバンと、サングラスは、今更その格好に気がついてしまい。怒りが、笑いに負けそうになっている。なぜなら… スーツ何かを見つけた。 スーツ「これ、お前のじゃないよな。」 下だけ「んー、あー、あっ。いや。」 スーツ「お前これ、明らかに違うだろ。かたっぽ潰して履いてるじゃないか。」 下だけ「あれ、んー、あー、……どうしましょう?」 カバン、サングラス。色は同じだが、左右、大きさ(左は小さいので踵をつぶして履いている、当然革靴)と紐の結びの違う靴を見て、もう絶えられないことになっている。下だけジャージ改名→革靴の踵を潰して履く男(略:履く男) スーツ「(電話口)すいません。はい、あります。いや、はい。兎に角、明日ですね、課長のお宅まで届け届けさせます。(履く男に)おい、いいよな?」 履く男「(なぜかちょっと前からものすごく酔っ払っている風情で)あー、んー。」 スーツ「ちなみに、ちょっと踵が潰れているんですが…、大丈夫ですよね?…スイマセン」 カバン、サングラス、笑い声を出さないのに必死である。だって、花見で吐いた男は今、課長の革靴を履いた男なのだから…
そして電車は新宿に到着。 スーツは履く男の肩を抱え、履く男はスーツの肩を抱き、千鳥足で新宿のホームを消えていった。 なぜか、電話を注意できないわたしなのだった。
狂い咲き。 いや、春はいい。 わたしが、花粉症であることをさておいておけば。
2005年04月09日(土)
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