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■ 役者紹介其の、四。。。
やはり彼は大ちゃんなのである。
いや、そりゃ「我輩は猫である」みたいだが、別にそういうことをいいたんじゃなくて、どうやら、彼は今日、インフルエンザなるものを小屋に持ち込んだかもしれない、キャリアなのである。うーん、これは困った、この時期に…… そんな彼はR−vive構成メンバーでは、実は一番若い。そして、一番老けている。そして、頼りがいがあるが、怒らせたら怖い。
彼とであった三年前、彼は純朴な青年であった。 そして、とても繊細で、寡黙で、弱い心を持った男の子であった。 それが、時の経つのはというか、集団の時間を経るというのか、人は変らない、とか言いながらえらく変わっていくもので、現在H協に所属している彼はいつのまにか、R−viveにはなくてはならない。そして、彼がいないと現場が回らない、という存在感を示してくるようになった。
そんな彼は、私より、怒るのが早い。 が、本人はあまり其の事に気がついていない。
だから、自分が役でミスをすると、崩れ落ちる。
だらしのない(良い意味でも悪い意味でも)先輩がたを抱え、「俺がやらなくちゃ」でいっぱいの彼の愛すべきところ、それは、小屋入りすると具合が悪くなる。という愛すべきところなのか?な特技を持っており、私もその昔、大体其の時期になると倒れていたので、わからないでもないのだが、そんな自分を振り返りながら、暗い舞台袖で待機している男である。
彼と会って三年、彼が一度だけ言った、印象的な一言。
それは彼とであったプロデュース公演での出来事。
まだ二十歳も超えたばかりの彼は、その作品で当然「一番若い役」が来ると踏んでいた。だから私は、「一番年のいった役」をやってもらった。その配役の日―
他の役者が 「新しいおもちゃを手に入れたかんじ」と言っている後ろで
「遊び方のわからないおもちゃを、貰ってしまった」と一言。
それからというもの、演出としての私は、勿論、作品を極上のものにするという使命はわかった上で、カンパニーの一人や二人「遊び方のわからないおもちゃ」を与える(えらそうな言い方だなー)ことにしている。なぜって、そこからとんでもない、本人さえも、演出さえも気がついていない魅力があることに気がついたりするのを実感してしまったからだ。
人から教えられる事は、ままある。 が、それを一緒に共有できたらとても素敵だと思いませんか?
そんな「北大輔」くんは、実はインフルエンザかもしれなくて、それだと明後日から本番だし、ほほー、これはまた困ったものだし、伝染したら厄介極まりないけど、今回の北君、ひさしぶりにまた「遊び方のわからないおもちゃ」を手にしています。
それがどんな「遊び方」を披露するのか、それはご自分目で確かめてみてください!
2003年12月07日(日)
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