再生するタワゴトver.5
りばいぶ



 肩を見知らぬ人にたたかれる。。。

肩をなだめるように、そしてわかったよというようにポンポンとたたかれた経験はあるだろうか?一度や二度、それはあっておかしくない体験だろう。それがアカノ他人である場合を除けば……


時は終電間近の山手線、新宿から池袋上野方面行きの電車に乗る。
車内は週末なのも手伝って、一杯、いや、二杯、いや、いっぱいかっくらったのだろうお客で物凄い混んでいる。

新宿駅ホームで、すでに、ダメーになっている二人組=爆笑問題のような凸凹のリーマンがいた、みんな並んでいるのに、まずでかい方がちっちゃい方を押しながら、当然のような割り込み。しかし周りはそりゃあオトナですから、なにも言いません。大きな声で話しながら、車内は酒臭いんだか何なんだか大混雑。しかしでかい方は、激しく体を動かしつつ、んー、せめーとか言っている。ちっちゃい方はまるでそれはコンビのように合いの手合いの手、もううるさいのなんのって。そして新大久保、高田馬場とさすがに、電車が進むにつれ、静かになるのかなという雰囲気をみせておいて、次に取り出したのは、そう、出ました携帯電話。
ハナスハナス…

もうすぐ目白、誰もなにも言わない。
私もめんどうなのでほっておくつもりも、いい加減きれぎみ♪
なので、とりあえず、一瞥しておく

小さい方、視線に気が付く。
特に何を言うわけでもなく、ちょっと俯き加減。
でかい方、今度はあろう事か、俯いた小さい方に電話を代わる。
小さい方、すんごく、まわりを気にしながら電話を切る。
ので、私もあほらしいと思って見るのもやめてみる。

やっと静かになったかと思いきや、でかい方、混んでる車内で自分の陣地を広げようと動きを開始。


…とまあ、要するに迷惑客だったわけです。

池袋

たくさんの人間がおりる駅。
だから、一旦降りてみる。流れが過ぎたら、また乗り込めば良い。←常識
そいつらはそれでもガンバってドアの真ん中に立っていたが、さすがに人の流れに耐えられず下ろされる形。
と、そこで文句を大声でのたまわったあと、二人して大爆笑、池袋で乗換えやらの人たちはかかわりあいにならないように、逃げるように二人を過ぎていく。

さすがに一言いったるか。

そう思った。

これを許しておいてはいかんだろう、人として。

そう思った。

って、やっぱりその間とりあえず、二人をもう完全に切れ気味?で見ていたのでした。

そして……


ふと右肩を叩かれた。

振り向くと、全然しらないサラリーマン。

サラリーマン、もう一度、「わかったよ」とでもイワンとするのか、肩をぽんぽんと叩き、一つ頷いて、再び車内へ。

「……え?」

とりあえず、一瞬たたずむしかない私。

凸凹も再び乗り込む。

「なんだ?」

と思いつつ、私も先を急ぐので、乗り込む。

と、しらないサラリーマン、私に目配せ。

「……え?」


なんだか電車は出発する。
でも私は池袋のホームに取り残された気分…。
電車は走る。
私はそのサラリーマンがなんなのかわからず、思考が停止。
電車は走る。
凸凹は、隣のおじさんに聞こえよがしに文句を言っている。
そこで私は一つ気が付いた。

サラリーマンが私と、その凸凹の中間に位置どるように立っている。
明らかに、そういうフォーメーション。
そして、その手が持つつり革の手は、血管が浮いている。

その背中を見て思った。

「いや、だから、何?」

多分、サラリーマンは凸凹を睨んでるんだろうなあ…
と思っていると。ちっちゃい方が、その視線に気が付いたのか、ちょっと俯いた。
すると…

サラリーマンは振り返り、私に頷いたのだった……

「……え?」

そして見知らぬサラリーマンは意気揚々と、また凸凹の方に向き直ったのでした。

電車は走る。
凸凹は騒ぐ。
リーマンは睨む。
私は……

「いや、だから、なにさなんなのさ?」


私の日常は池袋駅に置き忘れられた…
あなたのしらない世界……

2003年10月25日(土)
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