スカーレットの心のつぶやき
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2010年10月26日(火)

人は悲しみが深いほど涙を流すことが出来ない・・

昔、そんなことを聞いたことがある。

その時には、正直理解できなかった。

悲しいなら泣くのが当たり前だと思っていたから。

でも、母が亡くなり、初めてその言葉が本当だったと分かった。

あれほど母を愛し

母の居ない生活など想像もできなくて

いつまでも母は私の傍にいてくれる・・・

母が死んだら後追い自殺をすると心に決めていた。

夫も娘もそんな私の想いを知っていたから

母が亡くなって、心配したのだろう、

娘は私に犬を飼ったら寂しくないから

四十九日までに犬を探してと言った。

夫は葬儀の日

葬儀場へ向かう車の中で

私の親友に「後を追って本当に死んでしまうのでは?」と

心配そうに語ったと言う。

そんな夫や娘の心配を背に

私はこの10日あまり

泣くこともなく事務的なことや

葬儀後の後始末や今後のことで

毎日忙しく動き回り

母の前に座りしんみりと母を思い

涙を流すこともない。

夜になると一日の疲れが出て早く休んでしまう。

本当に自分自身の状態が不思議でたまらない。

姉は母の話をするとすぐに泣いてしまう。

葬儀の時も母が読んでほしいと姉に託した

挨拶文を一行読んだら後が涙で読めなくなり

私に続きを読んでほしいと言った。

私は母の文章を前日に読んでいたので

母の言葉

「泣かないでください、悲しまないでください、笑って送ってください」

を守って、泣かなかった。

泣き崩れる姿を母に見せたくなかった。

意地でも泣かずに喪主の務めを果たそうと思った。

そんな私は情が冷たいのだろうか・・・

やさしくないのだろうか・・・

そんなことはないと思う。

いつか、きっと我を忘れて泣く時が来るのかもしれない。

涙って枯れるほど流すとその後は出ないと言うが

私も母を思って涙が枯れるほど泣く日が来るかもしれない。

でも、私は死なない。

前を見て明るく元気で生きていくのだ。

そう心に決めたのだから。





スカーレット