スカーレットの心のつぶやき
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先日、直木賞を受賞した
天童荒太氏の「悼む人」を読み始めた。
天童氏は私と同郷ということもあり
また、前の「永遠の仔」以来ファンになった。
今回の「悼む人」は
天童氏があの9.11テロが起きて
たくさんの人々が亡くなったのがきっかけで
書こうと思ったのだと聞く。
この本は正直重い。
人の死とそれを悼む青年の姿をテーマだから。
特に、ガンの末期で自分の余命を知り
死に向かって歩いて行く
主人公の母の姿が私の心に重くのしかかっている。
殺人や事故で毎日多くの人が亡くなっている。
病気で亡くなる人たちも
事故や殺人で亡くなる人たちも
皆、同じひとつの命が消えるということだ。
それでも、病気で亡くなり
家族に看護され看取られた人たちは
自分の死に納得してないかもしれないが
回りのものたちは、それでも良かったと思う。
しかし、事故や事件で亡くなり
遺体すら見つけてもらえなかったり
遺体を損壊されたり焼かれたり・・
そんな惨い目にあった人の家族の気持ちを思うと
言葉では言い表せない怒り・悲しみ・恨み
それらの気持ちが結局亡くなった人を
無事に成仏させてあげられない気がする。
勝手な言い分かもしれない。
この本の主人公のように
事故や事件で亡くなった人を
そのひとたちを恨みや悲しみや怒りと言った感情抜きで
ただ、忘れないでいたいと思う気持ちで悼む人の
存在価値があるのだと思う。
人はいつかは死ぬ。
そして、人々の心から忘れられる。
法事をしてそのひとを偲ぶとしても
日常の生活の中ではいつも思ってはいない。
二年前に亡くなった私の父のことも
普段の生活の中では忘れていることが多い。
父には申し訳ないけれど
それが生きている人の普通ではないだろうか。
私だけが悼む心を忘れているのではないと思う。
だからこそ、他人であれ
その人の死を悼む人がいてくれることは
とてもありがたいことだと思う。
ようやく四分の三まで読んだ。
後四分の一。
また読後の私の気持ちが変わるかもしれない。
スカーレット
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