スカーレットの心のつぶやき
つぶやき 目次|過去|未来
「暑い夏にはカキ氷!」そんなキャッチフレーズがよく似合う、
猛暑の日々が続いている。
私には忘れられないカキ氷の思い出が二つある。
ひとつは、一昨年の6月に亡くなった父との思い出だ。
父は、食事は勿論のこと、水さえ吐いてしまう状態だった。
医者には止められていたが、
ひとさじのカキ氷を欲しがる父の口元に、
真っ白なカキ氷を作り、
砂糖を少しかけて父の口に運んだ。
あの時の父の嬉しそうな顔は忘れられない。
二つ目は、私が小さい頃の思い出だ。
あの頃の我が家は、
お店で売っているカキ氷を食べる経済的余裕もなかった。
夏休みになると母は10円を私の手のひらに握らせ、
氷屋さんへボールいっぱいのカキ氷を買いに行かせたものだ。
その氷を落とさないように、
溶けてしまわないうちに、走って帰った。
勿論、氷の上にかける蜜もない。
買って帰ったかき氷の上に、
パラパラと砂糖をかけただものだったが、
最高の味だった。
最近、店で見かけるカキ氷は、
フルーツやアイスクリームが乗った、
高価で贅沢なものが多い。
でも、私が一番食べたいのは、
懐かしい素朴なカキ氷だ。
そして、父の仏前にもそっと供えたい。
スカーレット
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