スカーレットの心のつぶやき
つぶやき 目次過去未来


2006年03月03日(金) 生きる

昨日は一ヶ月ぶりの父の受診日だった。

最近の父は、気が向いたら時々掃除機をかけたり

お風呂を簡単に掃除したりしている。

でも、後は家の中でパジャマ姿で

寝たり起きたりの生活だ。

そんな父は夜になると

真っ暗な部屋で一人ぽつんと座り

うなだれている姿を見せるようになった。

私は声をかけようにもかけられなくて

黙って父の元を去っている。

本当は「元気を出して」と言いたい。

でも、何か言葉をかけることが出来ないものを感じるのだ。

昨日の受診の結果、

血液検査は前と同じで小康状態を保っている。

「ああ〜良かった」とほっとした私の横で、

父が医者に尋ねた。

「先生、私はあとどのくらい生きられるのですか?」と。

医者は笑って言った。

「人それぞれですからね・・」と。

きっと医者は困ったのだろう。

誰にも人の命が後どのくらいか?なんて答えることは出来ない。

それが医者であっても同じだ。

父が医者に尋ねたいと思った気持ちは分かる。

日々不安な気持ちで暮らしているのだろう。

私が父の立場だったとしても

自分自身の余命について考えてしまうに違いない。

でも、いくら今健康な人であっても

明日のことは分からない。

もしかしたら交通事故で死ぬかもしれない。

そんなことを考えていたら生きてはいけない。

人は生まれたからには必ず死ぬ。

それが人によって早いか遅いかの違いはあるが

生きとし生けるものは必ず死ぬのだ。

それが無常というものだろう。

そしてその無常こそ日本の持つ情緒やあわれなのだと思う。

毎日朝起きて感謝の心で手を合わせ、

夜また感謝の気持ちで手を合わす、

そんな生活を父が出来たら

今の不安な心もなくなるのではないだろうか。

今、私の中で何かが変わろうとしている。


スカーレット