スカーレットの心のつぶやき
つぶやき 目次|過去|未来
「春よ来い」
一月から三月はあっと言う間に過ぎてもう四月になった。
石手川沿いの桜はちらほら咲いている。
吹く風はまだ肌に冷たい気もするけれど、
日差しはめっきり春らしくなっている。 昨年十一月、元気で病気知らずだった父が突然の病に倒れ、
もう四ヶ月あまりになる。
毎日芝居見物を楽しんでいた父を思うと、
ベッドの上にいる姿がうそのようだ。
姉も私も毎日顔を見せるようにしている。
警察官だった父。
共に過ごす時間が少なかった分、
今一緒にいられる時間をとても大切に思う。
父の性格は分かっていたつもりだったけれど、
この四ヶ月余りでいろいろなことを知った。
優しさは人一倍、
神経のこまやかさは天下一品。
看護士さんにも気配りを忘れない。
「そんなに気を使っていると治る病気も治らないよ」と言っても通じない。
病人でありながら母や私たちのことばかり心配する父でもある。
でも、それが父の良いところなのかもしれない。
元気になってほしい。
そしてまた好きな芝居を見に行ってほしいと思う。
父の病院へ行く途中の土手の桜はもうすぐ満開となり、
目を楽しませてくれるだろう。
病院のベッドからも桜が見える。
退院できたら是非一緒にお花見をしたい。
「春よ来い」の歌を口ずさみながら、
春の風を感じて、
今日も病院へ車を走らせる私である。
スカーレット
|