2003年9月19日、場所は東京ドーム。 勝てば優勝というその試合、55,000観衆のほとんどが虎党で占められている。 優勝の可能性が消滅した讀賣は、ファンに見放された格好となっているのだ。 成績が悪くなると内紛も起きるものだ。 オーナーの渡邊恒夫は、あまりの成績の悪さに激怒して、暴言を吐きまくった。 昨季の契約更改の席で代理人交渉を訴えた上原等は、槍玉にあがり、 「そんなしょうもうない事を言う奴は、巨人軍には要らない。 今すぐ出て行ってもらっても構わない。」とまで言われた。 ヤンキースに行った松井の事も、「だから俺は3年後に巨人に戻る契約を結ばせろと言ったんだ。」 等と言い出す始末。 そして、その怒りの矛先は、球団外にまで及んだ。 多額の資金を投入して獲得したペタジーニが、全く成績を残せないまま、故障により帰国すると、 「ヤクルトと結託して巨人軍を騙したのではないか??そう言えば昔もそんな奴がハウエルの事)がいたな。詐欺行為も甚だしい。そんなインチキ球団は、リーグから出て行ってもらわないといけない!!」とまで言い切ったのだ。
そんな讀賣を尻目に、2002年と違い、静かに立ち上がった今季の阪神は、7月に入り急加速し、 それ以降はセ・リーグペナントレースを独走していた。 盆を過ぎた頃にはマジックも点灯し、その消化も順調に行われてきたが、 9月12日からのナゴヤドームでは、マジック対象チームの中日に、何故か3連敗を喫してしまう。 次の甲子園での胴上げを意図したのか、或いはこの日の東京ドームを待ったのか。。 お世話になった名古屋の人々の前で宙に舞うのは、星野監督も忍びなかったのかもしれない。 そしてもし東京ドームでの胴上げを選択したのであれば、それは間違いなく昨年のリベンジという事になる。 事実なら、粋な計らいというか、本当に余裕のある強い球団になったものだ。
試合は序盤から阪神ペース。 濱中の25号本塁打で先制すると、金本が30号3点本塁打を放ち中押しして、 今岡・檜山の適時打等でダメを押した。 投げては井川が、清原の犠飛だけによる1点に抑え、完投で20勝目を挙げ、胴上げ投手となった。 星野監督が東京ドームで宙に舞う。 そしてドームホテルでのビールかけと続く。 正に敵地を占拠した形だ。
一方パ・リーグは、この2日前に近鉄が大阪ドームで優勝を決めていた。 主砲中村紀洋は、インタビューで「是非阪神に勝って日本一になりたい。それが夢でしたから。」 等と訳の分からないコメントをしていた。 (どこまで夢の変わる奴やねん・・・) それに対して、阪神側からは、何の反応もなかった。 「FAで関わった中村選手と日本シリーズを戦いますが?」としつこく報道陣に問われて、 星野監督が「そんな事今は関係ない」と一蹴するに止まった。
そして迎えた日本シリーズ初戦。 場所は大阪ドーム。 有料入場者数約38、000人のうち、32、000は阪神ファンで埋まっている。 その中で井川が投じたチェンジアップの失投を、中村紀洋が満塁本塁打して、近鉄が先勝した。 本拠をジャックされた悔しさもあったのか、勝利インタビューで中村は、 「阪神?パ・リーグ最下位の日ハムの方がよっぽど怖いですよ。」等と発言してしまう。 随分昔に、どこかで聞いた台詞だ・・。 その言葉に発奮した阪神ナインが、その後近鉄投手陣を粉砕、4連勝を飾り、 念願の甲子園での胴上げを実現する。 優勝を決めた本塁打を放った今岡は、中村の発言に対し、「いい刺激になりました。」 とクールにチクリとやって締めてみせた。
この日本一の結果で、好きな球団の調査結果が例年と違う形になった。 讀賣が29%まで落ち込み、阪神が26%と首位に肉薄した。 TVのスポーツ番組は、全てが阪神特集と化す。 こういう状況に対し、私は「眉唾もんやな。。」等と思ってしまうのである。 優勝すれば、それでまた別の悩みも増えるというものだ。。
以上、各々の発言や現象などは、全て作り話である。 夢なんだから、当り前だ。
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