2007年12月05日(水)
病院に行くにあたって、相当待たされるはずだからなにか読むものを用意しておかねばと 平積みされているなかからさして吟味することもなく選んだのは安全パイ、 東野圭吾の「ダイイング・アイ」。刊行されたのは最近ながら、書かれたのはうんと前らしい。 うーん、確かに。直木賞作家として、これは今もう書けないんじゃないか、な。
翌週、検査結果を聞きに行くに際して用意したのは、久保寺健彦「みなさん、さようなら」。 その前夜、平置き台を物色していたらば大沢在昌の新刊を見かけ、思わず手にとって見たものの、 うーん、うーん、大沢在昌なー、無難かもしれんけどマンネリかもー、しかも上下巻んー、とパス。 というわけで、これも手にとってちらりと見た新堂冬樹「摂氏零度の少女」をはさんだ隣にあった、 誰だか知らない作者の「みなさん、さようなら」。今回は犯罪とかちょっといいやーという気分。
さてこそ、これが当りというか拾いモノ。てか、ぼくにとっては今年のベスト。 ある事件をきっかけに、母と住む団地から出られなくなってしまった男の17年だか18年だか。 団地内をパトロールし、団地内で恋をし、団地内で就職し、団地内で煩悶するうち、 拠りどころである団地は老朽化し、荒廃していく。 そんな彼と団地の姿が妙なリアリティーを持って迫ってくる。 ぼかぁ、ちょっと熱くなったり、うるっときたりした。
で、病院での話。 血ぃ抜いたり、超音波当てたり、胃カメラ飲んだりした結果、 胆のうにできた石、いわゆる胆石というやつですな、これが炎症を促しているらしく、 時期をみて手術するのがよさそうだけれど、とりあえず3ヶ月様子をみましょうとのこと。 うう、飲めば石だけ溶かしてくれるような都合のいい薬はないんか。
☆彡
社内の飲み物自販機に新たにキットカットが入るようになっていた。 いつ見ても売り切れで、いつ見ても誰かがキットカットをかじっている。
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