2006年07月12日(水)

■ 覚えられないんならメモを取れ。

何年ぶりかで近所の回転寿司屋に行ってみると、回転しない寿司屋になっていた。
3人はいたはずの職人は、用をなさないコンベアーの内側に今やひとり。
それが10数人の客を相手にしている。
大丈夫か。覚えていられるのか、注文。

杞憂ではなかった。
先に頼んだぼくよりも、後から頼んだ妻の分が先に出てきた。
なぜだ。いきなり玉子などという、通じみてはいるが簡単な注文を彼女がしたからか。
そういう可能性だってなくはない。ぼくは忘れられているわけではきっとない。
鷹揚な態度でぼくは待つ。

待つ。しばらく待つ。
待……っていたらば、忍び足で寄ってきたコンベアー内の親父、
耳元でこう囁く。「ご注文、なんでしたっけ?」
やっぱりそうきたか、この野郎。
覚えられないんだったらメモ取れ、このタコ。

こんなやり取りがその後も、たぶんそれ以前からもそこかしこで繰り広げられ、
客は注文のタイミングを計るのに妙な緊張を強いられるのだった。
食った気しねぇえええっ。
回転寿司が回転しなくなるとはそういうことなのだと理解した。

 ☆彡

金原ひとみ「オートフィクション」読了。
けっこうおもしろかったが、少々不愉快でもあった。
ともあれ、これも読み終えた端からオークション行き。

この2年ほどの間に、読み終えた後も手許にあるハードカバーは
恩田陸の「夜のピクニック」だけだ。
もう、本なんてどんどん売ってしまうに限る。
モノを増やす年齢では、ぼくはもはやない。

などとエラそにいうんだったら、
せめてラックに収まりきらないCDだけでも処分しような、まるこめ君。


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