| 2015年09月14日(月) |
川村元気『億男』★★★☆☆ |
 川村元気『億男』
お金は、それに使われるものではなくそれを使うもの。 使うことが目的ではなく、手段。
勘違いしがちなのかも。 勘違いしたまま生きている人が多いのかも。
メモ。
「この世界ではあたりまえちゃうことの ほうがとかく目立つし、よく思われたりする。でも勝つためには、あたりまえを見つける目が必要なんや。そしてあたりまえのことを、あたりまえにやる。ただそんだけでほとんどの勝負は勝つことができる。でもそれが一番難しい。実際、この競馬場でそこらへんを歩いてる奴に、そのことを分かっている奴は誰もおらへん。みんな自分の欲とか恐怖とかに囚われて、あたりまえのことを見失う。そやから、賭け事はあたりまえのことをバカにせんとやる奴らが勝つんや」(p127)
「千住の言うとおりだ、と一男は思った。 僕らは何が欲しいか分からずに欲しがったり、失ったりしている。皆が必死になって書き出している夢。世界一周。大きな家。幸せな家族。でも実は行きたい場所なんてどこにもないのだ。ここではないどこか、を求めているだけ。お金がそれら茫洋とした夢や欲望に、姿かたちを与えてくれると期待しているだけなのだ。」(p166)
川村元気『億男』
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