| 2015年03月21日(土) |
ケリー・マクゴニガル『スタンフォードの自分を変える教室』(1)★★★★★ |
 ケリー・マクゴニガル『スタンフォードの自分を変える教室』
メモしたいところが多すぎ。 意志力をつけるのに、ほんとうに役立つ本。役立った本。 著者に感謝!(^_^)
前半のメモ。
「『やる力』と『やらない力』は、自己コントロールのふたつの側面を表していますが、意志力はそのふたつだけでは成り立ちません。ノーと言うべきときにノーと言い、イエスと言うべきときにイエスというためには、もうひとつの力、すなわち、自分がほんとうに望んでいることを思い出す力が必要なのです。」(p30)
意思力の鍛え方 「あるいは、もっとかんたんで苦痛が少ない方法もあります。瞑想です。神経科学者の発見によれば、瞑想を行うようになると、脳が瞑想に慣れるだけでなく、注意力、集中力、ストレス管理、衝動の抑制、自己認識といった自己コントロールのさまざまなスキルが向上します。 (略)定期的に瞑想を行う人の場合、前頭前皮質や自己認識のために役立つ領域の灰白質が増加するのです。」(p50)
「最近の研究では、定期的に瞑想を行った場合、禁煙や減量に効果があり、薬物やアルコールの依存性への対策としても効果があることがわかっています。」(p52)
�� 動かずにじっと座ります。 �� 呼吸に意識を集中します。 �� 呼吸をしているときの感覚をつかみ、気が散りはじめたら意識します。
「この本にはあまり手っ取り早い解決法は出てきませんが、意志力をてきめんに高める方法があります。それは、呼吸のペースを1分間に4回から6回までに抑えること。(略)呼吸のペースを遅くすると前頭前皮質が活性化し、心拍変動も上昇します。 これが、脳と身体をストレス状態から自制心を発揮できる状態に切り替えるのに役立つのです。 (略)この練習を定期的に行えばストレスに強くなり、意志力の保有量も増えることが研究によってわかっています。」(p74-75)
「エクササイズは心拍変動のベースラインを底上げし、脳を鍛えることにもなるので、自己コントロールの生理機能が向上します。」(p78)
「2010年には、10件の研究の分析結果が発表されましたが、それによると、気分が向上し、ストレス解消に最も効果的だったのは、1時間に及ぶような長いエクササイズではなく、5分間のエクササイズでした。」(p79)
「ある研究では、呼吸に意識を集中させる瞑想を一日5分間行った場合、元依存性患者が眠りやすくなることがわかりました。これを1時間行った場合は、質のよい睡眠がとれるようになり、その結果、薬物使用の再発リスクが著しく低下しました。 そんなわけで、意志力アップのためには、さっさと眠ることにしましょう。」(p84)
「『する』が失敗したら『しない』を決める」(p85)
「ストレスは『一瞬』でやる気を奪う」(p88)
「ストレス状態になると、人は目先の短期的な目標と結果しか目に入らなくなってしまいますが、自制心が発揮されれば、大局的に物事を考えることができます。ですから、ストレスとうまく付き合う方法を学ぶことは、意志力を向上させるために最も重要なことのひとつなのです。」(p90)
「慢性的にストレス状態にある場合は、意志力の問題に取り組もうとしても、前面に出てくるのは非常に衝動的な自己です。 ですから、意志力のチャレンジで成功したければ、自分のエネルギーを自己防衛ではなく自己コントロールへ向けられるように、心と体の状態を整える必要があります。」(p91)
「研究結果によれば、自制心が最も強いのは朝で、その後は時間が経つにつれて衰えていきます。」(p94)
「『大事なこと』をやる時間帯を変える」(p99)
「ドボルザークとワンの主張によれば、現代人の脳はいまだに血糖値によって、食べ物が手に入りそうもないか、あるいはたくさん手に入りそうかを判断しています。 (略) 食料が乏しかった時代には、自分の食欲や衝動に従って行動した原始人のほうが、生き残るチャンスが増えました。 現代社会においてはコントロールの喪失と見なされてしまうことも、じつは戦略的なリスクテイキングと呼ぶべき脳の本能の名残と言えるかもしれません。」(p108)
「実際、研究によれば、現代人も空腹のときには危険を冒す傾向があります。」(p108)
「血糖値が急に上がったり下がったりすると、体と脳が糖分をきちんと消費できなくなります。血糖値が高いにもかかわらずエネルギーが低い状態になってしまうのです。 もっとよい方法としては、身体に持久性のあるエネルギーを与えてくれるような食べ物を摂取することです。多くの心理学者や栄養士が推奨しているのは『低血糖食』、すなわち、血糖値を一定に保つための食事です。」(p109)
意志力トレーニング。目標に関係のある強化法をやってみる ・やらない力を強化する ・やる力を強化する ・自己監視を強化する(p114-115)
「私たちはただよいことをした『気』になっただけで、自分はよい人間だと思ってしまうのです。」(p134)
「人は正しいことは『したくない』と感じる (略) しかし、冗談にもほどがあります。私たちの最大の行動基準は、欲しいものを手に入れ、欲しくないものは避けることです。」(p135)
「ある行為を道徳的に正しいこととして位置づけると、私たちはどういうわけか相反する感情を抱くようになります。」(p135)
「がんばって進歩したのはいいけれど、そのせいでかえって気がゆるみ、相反するふたつの自己のせめぎ合いが始まってしまうのです。意志力の問題にはふたつの相反する欲求がからんできます。ひとりの自己は長期的な利益(減量など)を考えていますが、もうひとりの自己は目先の満足(チョコレート!)を望みます。 誘惑を感じたときには、自分を甘やかそうとする声に負けないように、賢いほうの自己が声を張りあげなければなりません。しかしたとえ自己コントロールがうまくいっても、思わぬ落とし穴が待っています。うまくいったせいでいい気分になり、賢いほうの自己の声が聞こえなくなってしまうのです。」(p138-139)
「『やることリスト』がやる気を奪う」(p140) 「進歩にばかり注目していると、かえって成功から遠ざかってしまいます。これは進歩そのものが問題なのではありません。厄介なのは、進歩が私たちの気分に与える影響です。ですから、有頂天になったりせず、目標から目をそらさなければ問題になりません。」(p140)
「自分のやってきたことを振り返り、目標をあらためて心に深く刻み、その目標に向って自分がいっそう努力したくなるように仕向けなければなりません。 (略)なぜなら、私たちはおのずと努力をやめてもいい理由を探してしまうからです。」(p141)
・目標の達成に向けて、自分でどれくらい進歩したと思いますか? ・目標を達成するために、どれくらい真剣に努力していますか? サボるのは前者
「『なぜ』を考えれば姿勢が変わる」(p142)
「誘惑に負けなかったときのことを学生たちに思い出してもらったところ、ライセンシング効果が生じ、そのあと70パーセントの学生が自分を甘やかすような行動をとりました。しかし、学生たちになぜ誘惑に負けなかったのかと理由をたずねたところ、ライセンシング効果は見られず、こんどは69パーセントの学生は誘惑に負けませんでした。 (略) 『なぜ』という理由を思い出すのが効果的なのは、それによって自分を甘やかすような報酬についての感じ方が変わってくるからです。」(p142)
「人は目標にふさわしい行動を取る機会が訪れただけでいい気分になってしまい、実際に目標を達成したような満足感を覚えてしまうのです。」(p145)
「私たちは、明日は今日と違う選択ができるにちがいないと思いますが、そうはいかないのです。」(p147)
「人には『明日はもっとできる』と考える習性がある」(p148)
「行動経済学者のハワード・ラクリンは、行動を変えることを明日に伸ばすのを防ぐためのおもしろい仕掛けを提唱しています。ある行動を変えたい場合、その行動じたいを変えるのではなく、日によってばらつきが出ないように注意するのです。 (略) ラクリンの説明によれば、この方法が効果的なのは『明日からちゃんとやればいいや』という言い訳ができなくなるからです。」(p151-152)
「選択を行うたびに、それが将来にわたってずっと影響を及ぼすことを認識しましょう。 つまり、『このチョコバー、食べちゃおうかな?』ではなく、『これから一年間、毎日毎日、午後になったらチョコバーを食べることになるけど、それでもいいわけ?』と確認するのです。あるいは、やるべきことをずっとやっていないなら、『やっぱりこれは今日やったほうがいいかな、それとも明日でもいいかなあ』ではなく、『ずっとこうやって先延ばしにして、あとでツケが回ってきてもいいの?』と自分に問いかけてみましょう。」(p152)
「人はドーパミンが大量に放出されると、欲しくなったものを何がなんでも手に入れなければ気がすまなくなります。」(p173)
「報酬を設定することによって、つまらない作業を楽しくすることができます。もし、やっていることに対する報酬があまりにも先になる場合は、いつか手に入るはずの報酬を思い描いて、少しよけいにドーパミンを放出させます。」(p186)
依存性の克服にも利用されている、報酬の予感を利用した金魚鉢のごほうび。 「薬物検査に合格した患者たちは、ボウルの中に入っているたくさんの紙切れから1枚を選んで取ることができます。紙切れのうち半分は、1ドルから20ドルまでの賞金の当たりくじになっています。そしてたった1枚だけ、100ドルの当たりくじが入っているのです。半分の紙切れは賞金ゼロですが、代わりに『その調子でがんばろう』などのメッセージが書いてあります。」(p186-187)
「驚いたことに、薬物検査に合格したら定額の報奨金をもらえる仕組みよりも、金魚鉢作戦のほうが効果がありました。けれども、患者が金魚鉢の当たりクジでもらった賞金は、ほとんどの場合、報奨金よりもずっと少額でした。この結果を見れば、思いがけない報酬の効果がどれほど大きいかわかります。」(p187)
「欲望を感じているとき、私たちはいい気分でいるとは限りません。ときにはどうしようもなく最低な気分になるほどです。ドーパミンのおもな役割は私たちに幸せを『追い求めさせる』ことであって、私たちを幸せにすることではないからです。」(p189)
「研究によれば、味わって食べる練習をした人は、食べ物に関して自制心が強くなり、大食いが減りました。時間が経つにつれて体重が減っただけでなく、ストレスや焦燥感や憂うつ感も軽減されました。このように、まやかしの報酬を期待する気持ちから自分を解放すれば、満足感をもたらずと信じていたものが、じつは自分をみじめな気持ちにさせる原因だったことがわかります。」(p194)
「わざと誘惑に身をさらして、報酬への期待を感じてみましょう。これをすればたのしい気持ちになれると思い込んでいるせいで、つい負けてしまうような誘惑です。(略)いずれの場合も、自分ではコントロールできないと思っていた行動を、以前よりもうまくコントロールできるようになるでしょう。」(p194-195)
「欲望は、行動を起こすために脳が仕掛ける戦略です。これまで見てきたとおり、欲望は自己コントロールに対する脅威にもなれば、意志力の源にもなります。ドーパミンが私たちを誘惑へ駆り立てるとき、私たちは欲望と幸せを区別しなければなりません。しかし、いっぽうで私たちは、ドーパミンや報酬への期待を利用して、自分や他の人たちのやる気を引き出すこともできます。 つまるところ、欲望じたいはよくも悪くもありません。大切なのは、欲望によって自分がどこへ向かおうとしているのか、そしてどういう場合なら欲望に従ってもよいかを見きわめられるかどうかなのです。」(p199-200)
ケリー・マクゴニガル『スタンフォードの自分を変える教室』
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