| 2012年01月22日(日) |
篠原鋭一『もしもし、生きてていいですか?』★★★☆☆ |
 篠原 鋭一(長寿院・住職)『もしもし、生きてていいですか?』
メモ。
私たちは決してひとりではない。 ひとは、ひとと係わり合いながら生きている。
そして無常。 常ならず。何事もいつかは移り変わる。 だから今どれだけしんどかったとしても、いつまでも続かないから。
と和尚さんはおっしゃいます。
「人間がもっとも辛いのは、自分がここに存在していることを認めてくれる人が誰もいなくなった時だから」(p14)
アドラー心理学を思い出しました。一人でもいい、勇気づけが出来る人がいれば、と。
孤立が自死を後押しする。
「打ちのめされ、苦悩から自分を見失い、この世から消えてしまいたいと思っている時、そばにいて支えてくれる人、苦しみを理解してくれる人、関心を寄せてくれる人がいれば、自死はしません。」(p85)
選択理論でいう「愛所属の欲求」が満たされていることがいかに重要かということ。
和尚さんが講演などで教えて子どもたちにほしいと語っていること。 「人間は人に迷惑をかけないでは生きていけない。 だから人からの迷惑も喜んで受けなければいけない。」(p101)
ひきこもりの青年、放置の親からの相談。 和尚さんが提案したのは、彼に人生の設計図を書いてくること。 そして、短い距離から外出することで達成感を積み重ねること。
「何事も十年続ければプロになるんです。二十年やれば達人になる。 これは本当です。」(p134)
「そう、苦しみというのは、必ずしも人生を不幸にする要因ではなく、苦しんだことがかえって人生を豊かにすることもある。」(p161)
「体験は修行じゃない。」(p165)
「本当の修行というのは、あなたが今いる場所で行うもの。 あなたのいる場所こそが修行道場なんだ。」(p165)
今、ここ、自分。
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