| 2010年08月19日(木) |
川上卓也『〈貧乏道〉を往く』★★★☆☆ |
 川上卓也『〈貧乏道〉を往く』
心に残ったところ。
「ひとつの物を無理して買わなければならない人間には、無理をして手に入れた物自体を有効に利用することなんて不可能なんです。」(p26)
分相応、そして成長。
「節約術というのは、戦術と同じです。節約術を用いなければならない状態に陥る前に、それを回避する戦略が必要なのです。」(p38)
戦略がないのに戦術だけでは、戦争に負ける、と。 忍者隊だけでは、天下を取れない。
「自分のベクトルを持ち、シンプルライフを送ることが戦略です。」(p38)
「他者を顧みずに、ちょっと悪びれて言うならば自己中心主義で生きることが、自分のベクトルを探すための手段です。」(p60)
「人生は、無限でないにしろ、いくらかのリセットが可能です。」(p62)
「モノサシのない人間が旅行をしても、消費以外の薬効は得られないのです。」(p89)
「僕の嫌いな言葉の一つに『自分探しの旅』というのがあります。こんなもの、どこをうろついたって見つかりはしません。常に、そこにいる。それが、ゴミに埋もれてしまった本人にも霞んでしまっているだけの話です。自分のない人間が旅をしたって無駄。モノサシなき人生設計など落書き同然なのです。」(p91)
自分のモノサシとは、価値観。
シンプルライフへの移行は、スパイラルで徐々にでよい、と。 緩やかにリセットを繰り返していけばいい、と。 油絵を描きたいなら、まずは鉛筆を削ることから。
「道具というものは、自分の意志に基づいて用いなければ足枷になるのです。」(p151)
最期を前に、何を残すのか、残したいのか、残せるのか。 誰に、何を。そのためには、いつ。
「自分の思うとおりの人生を歩んでこられたか、つくるべきものはつくれたか、これからそれを成すのか、なにを、誰に、なんのために。」(p211)
残された時間をどう使うのかは、自分次第。
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