活字中毒のワタシの日記

2007年07月15日(日) 加藤 ゑみ子『収納計画は人生計画』★★★★☆

収納計画は人生計画
収納計画は人生計画
加藤 ゑみ子
ディスカヴァー・トゥエンティワン (2003/03)

物を収納するというのはどういうことか。
使いやすいこと、美しいこと。
それはすなわち、日々の暮らしがスムースで、美しいということ。
それはすなわち、人生が美しいということ。

そんなテーマを淡々と書きながら、あちこちでがつんと大事なことを教えてくれる一冊でした。
加藤ゑみ子さんの本、全部読んでそのスタイルを身につけたい!……と思います。

心に残ったところ。いっぱいありました!

まずは、自己責任の大切さ。

「捨てることができないなら、便利だからと使っているのなら、使わないけれどあっても気にならないのなら、役に立っているのなら、あるのだから仕方がないと思っているのなら、すべてそれは、あなた自身が選んだのと同じことです。」(p13)

「それが、あなたが自分で選んでいる物に対して責任を持つということであり、自分の人生に責任を持つということではないでしょうか。」(p13)

がつーんときましたが、これってまず認めないといけないこと。
そこからスタートしなくちゃいけないんだ、と。

そして素敵な哲学。

「ある程度の広さが必要なのは、物をたくさん収納するためではなくて、美しく暮らすためです。」(p22)

全編通して、この「美しく暮らす」ことが提唱されています。

……かっこいい。

美しく暮らす、とはどういうことかを自分なりに考えて理解して具体的に行動することが必要になりますが、それは「幸せに暮らす」ことにつながるのだろうなと思います。

2章ではライフステージごとに収納について語られていますが、子どものしつけについての一節。

「物と空間が子どもに与える影響は、多くの人が思っている以上に、おそらく学業から得る知識や両親の教え以上に大きいのです。」(p29)

えええ、だとしたらかなりヤバイのではないのでしょうか、うちの子どもたち。
だとしたら、私の子ども時代を振り返るに、やっぱり私がダメダメなのもうなづけるかな、って…。

だからこそ、少しずつ訓練が必要だと著者は言います。
そして、独立する時に、何を持っていくのか。

「人が人生で何に価値を置いているのか、それは、その人の持ち物を見ればわかります」(p38)

「自分で選ぶ物は、自分の価値観、美意識の表れです。必要な物、身近に持っていたい物、それらがひとつひとつ美しい物であれば、何もない寒々としたひとり暮らしにはなりません。」(p39)

子どもが独立する時に、間に合わせの物ばかり、捨てられないでゴミもろとも暮らす、そんな物とのつき合い方(過去の私がそうであったような)ではなく、自分の美意識と価値観に基づいて選んだ物(予算の関係で、納得して間に合わせにしてる物はあるでしょうが)選びをすることができるように、今から親である自分が身をもって教えていかなくちゃいけないのだと。

……できる気がしませんが、でもしなくちゃ。できる人になっててほしい。

美しく暮らすための物選びとともに、日々を丁寧に暮らすことも提唱。
良質なホームリネンをすすめるとともに、こうおっしゃいます。

「ここでいう豊かさとは、生活行為そのものがもたらす豊さです。洗ったり、アイロンをかけたりする手入れはもちろんのこと、チェストや棚に揃えて収納する行為そのものが、忙しい日常のなかで、自分をリフレッシュさせる豊かな時間となります。」(p49)

片づけに悩む主婦が「目標、洗濯物をすぐ片づける!」とあげるくらいの面倒な日常の家事を、自分をリフレッシュさせる豊かな時間になる、と。なんて前向きなんでしょう。なんて豊かな発想なんでしょう。
見習うのは難しそうですが、見習いたいです。
そうなるためには、揃えたり洗ったりアイロンかけたりしたくなるような上質で、素敵な物選びが必須となるのでしょう。

収納テクニックの本ではない、と言ってもいいくらいの心構え系の本ですが、収納の考え方というのも示してくれています。

増え続ける物に対して、自分が管理する、という姿勢を持つこと。
そして管理方法とシステムを知る、おかしければ修正していく。

適切な収納の原則とは。
・なんでも自分で覚えておこうとしない
・奇抜な収納システムをとらない こと。(p53)

収納が足りない、と思った時に考えること。
「○空間を居心地のよいものにするための収納
○生活行為がスムースにいきわたるための収納
○物が生かされる収納」(p54)

とにかく詰め込めたらよし!ではなく、次に使いやすく、戻しやすく、家族の誰もが
同じように使えること。すぐに出して使え、戻せること。そのためには収納場所の余裕も必要となる。
そして、できればその場所も、美しくあってほしい。

…ほんとに、言うは易し。でもそこまで辿り着きたい、いつか。

シンプルライフについて。
シンプルライフを送りたい、そういうインテリアが欲しいといいつつ、物事をややこしく考えたり、人間関係も複雑にしている人がシンプルな家具だけ揃えたところで、シンプルライフはできない、とばっさり。

「シンプルの意味は、収納も人生もひとつのスタイルを持つということでもあります。シンプルな姿や形だけをいうのではありません。
(略)
シンプルとは、判断の基準に、混乱、迷いがないということです。人生のさまざまな局面で、自分にとって大切なものは何か、今家族にとってもっとも必要なことは何かを見極め、決断することのできる人が、シンプルなスタイルを持つ人だといえるのです。」(p57)

か、かっこいいっす…加藤さん。
こう断言できる彼女もシンプルなスタイルを持つ人。
私も、こういうスタイルを持ちたい。

3章では、収納の実体について丁寧に解説。

収納の目的とは、しまっておくこと、にあらず。
容易に出し入れして使える状態にすること、と。
そのために具体的にどうすればいいかを考え、実行する、と。

分類する、使う場所を決めてそこに収納する。
出し入れの収納とストックの収納は分けて考える、見せる収納を工夫してみる。
それを、毎日の習慣にすること。

4章ではタイプ別に収納方法をアドバイス。

私は「出したままで平気な人・でありながら、片づけてないとイライラする人・使うのが惜しいと考える人・集めるだけで整理しない人・いただきものを平気で処分する人・捨てることに罪悪感を持つ人・でありながらポイポイ捨てることができるようになってきた人・無駄なものがあるとイライラする・といいつつ平気でもある・美に対する感性の鈍い人・せっかち・でもグズ・人のせいにする」人で、そんな私への耳の痛い助言、心に留めておこうと思います。

この章で一番響いた言葉。

「美しさと実用を一体のものとして求めていかない限り、実用性中心、美のない物が集まってしまいます。そして、実用だけを重視していくなかで、ますます感性は鈍っていきます。」(p86)

5章では、プロの収納大原則を伝授!です。
いくつか述べられていますが、わかっていてもうなづけたのがこれ。
「使うところに置く」(p91)
「記憶に頼らない収納方法をとる」(p95)
「思い出の品の保管方法を考える」(p96)

最後に、やっぱりこの方かっこいい!と思った、この本の最後。

「収納も、人生も、何より大切なのは、美しいことです。」(p121)

ぴしっと背中を伸ばしてくれて、ありがとうございました。
収納計画は人生計画



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