| 2006年06月24日(土) |
加藤 廣『信長の棺』★★☆☆☆ |
 『信長の棺』 加藤 廣 日本経済新聞社 (2005/05/25)
本能寺の変で倒された織田信長。
その遺骸はどこへ消えたのか。
部下であり記録係であった実在する人物、太田牛一が語る、お屋形さまの最期を追う歴史ミステリー。
というわけで、ちょっと前から歴史モノにすこしはまってる私(『関ヶ原』から、石田三成、そして島左近の大ファンに。光秀モノもどうかしらとこの本を手に取ってみました)
で…。
評判程ではなかったというのが感想です。
くどい、牛一。 信長賛美が気持ち悪い。 功績を讃えるのはいいが、ネガティブな虐殺の事実などに目をそむけるばかりなのはどうか。 三河狸の位置づけはなるほどだったし、三成部下との交流には(ああ、この人が帰った先には島左近がいる…)とわくわくしたし(全然この小説とは接点なし)、信長の遺体が見つからなかったとする謎を、思いもかけないところから解いた点は面白かった。
実在の人物と、彼が書いたとされる書物『信長公記』から想像を膨らませて、なのでぶっとびすぎる話にはできなかったと思うけど、それでもいまいち。 妻となる女性との関係もいまひとつ盛り上がらず。 ただ、僧清玉と弟子の権兵衛のエピソードの数々にはほろっときそうだった。 あの手の話には弱いので。
謎解きのひとつとしては面白かったけれど、このボリュームでこれだけかと思うと、他のを読んでみようかという気にはいまいちなれなかった。
…えっ著者75歳? お達者! そっか、しかも職業は物書きじゃなかったとすると…
いや。 それでも、このボリュームはなくてもよかったかなと。
『信長の棺』
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