| 2006年03月25日(土) |
真保 裕一『ホワイトアウト』★★★★☆ |
 『ホワイトアウト』 真保 裕一 新潮社 (1995/09)
うわ〜。
今読み終えた。
泣きそう。
こりゃ映画にもなるかも(見てない)。
真保さん、すっごいっすよ〜。ええっもう3時!?目冴えちゃったよ…。 読まずに寝られるわけないでしょ後半まできたら…。
帯より。 「日本最大の貯水量を誇るダムが乗っ取られた----。 武装した犯人グループは、50億円を要求。 残された時間は24時間。 捕われた同僚と亡き友の婚約者を救うべく、 ダムに向かう主人公・富樫のもう一つの、 そして最大の敵は、 絶え間なく降りしきる雪、雪、雪……。 厳寒の雪山を舞台に、息詰まる死闘が始まった!」
そうそう、始まっちゃうのですよ。 悲劇的なプロローグから。
いきなり、いやな感じ。これって遭難?やだやだやだよう…とびびりながら読み始め、うわぁやっぱり。 読むペースが早いはずの私、怖くてなかなか先に進めない。 何度も後ろの方をちらちら見て、「ああ大丈夫まだ生きてる、きっと大丈夫!」と安心しながら、それでも不安と戦いながら進んだ。
そして爆発、凶弾、孤立する占拠されたダム、人質、絶望的な状況。
遭難者を助けようとして命を落としたダム運転員、吉岡。 友人の吉岡を助けられなかった主人公、ダムの運転員、富樫32歳。 婚約者だった吉岡のいた場所を見たいと訪れたのに人質になってしまう千晶。 爆破テロで妻子を奪われた一人の男。
その他、決して多くはない登場人物がそれぞれの立場で活躍するのだけど、ちょい役のたとえば案内運転手の岩崎、地元の警察の奥田なども味わい深く、印象深く描かれていてどっぷり世界に入ってしまった。
入った分、ドキドキと心臓には悪いわ(富樫と千晶それぞれの心配をしないといけないからもう怖いったらない)、自責の念に捕われる富樫の思いが切ないわ、絶体絶命のピンチの連続、そしてそれを切り抜け、さらに反撃までしてしまう「日本一の運転員」をめいっぱい応援しちゃうわ、雪山の描写は読んでても寒々しくて凍えてしまうし、ドキドキハラハラのアクションものとしても優れている上に!
エピローグが泣かせる…。
エピローグの前のページで最大の不安をあおっておいて…こうくる?きてくれた? 嬉しいけど、泣けるよ…。
小説としては、章の56。 P347での「え?」「もしかしてそれって…えー!!!」というどんでん返しというか真相にショックを受けたのだけど、まいった!です。 面白いけどそうきたー? 真保さんの小説は『乱歩賞作家 赤の謎』の中の『黒部の羆』で面白ーいと思って待望の一冊目なんだけど、それを読んだ時と同じ「へ?それって…えー!!!」ともう一度最初から読み直さないと!と思わされる面白さをこの作品でも感じた。
架空の人だと分かっていても、「吉岡」の冥福を祈りたい。 架空の人だと分かっていても、「富樫」にはあったかいお風呂に入ってもらいたい。
ドキドキしたくて、しかも泣きたい気持ちにさせられたい人におすすめ。
福井 晴敏 さんの『亡国のイージス』もたいがい面白ーいと思ったけれど、感情移入のしやすさと人物の魅力的な描き方と最後泣かすあたりで、『ホワイトアウト』がかなり上。 松岡圭祐さんも面白いけど、上がいた!と思った。
今月のベスト本かな。 気づいたら夜中3時とは。
『ホワイトアウト』
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